
米国のドナルド・トランプ大統領が「ウクライナはロシアに占領された領土を奪回できる」と言及したが、その実現可能性については懐疑的な見方が少なくない。
24日、米ワシントンのシンクタンク、戦争研究所(ISW)などの戦況分析によると、ロシアは現在ウクライナの領土の約20%を占領しているという。ロシアは2014年にクリミア半島の併合を宣言し、2022年2月にウクライナに侵攻して本格的に戦争を開始した後、7か月後の同年9月にルハーンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの4州の併合を発表した。
現在、クリミア半島とルハーンシク州全体、そしてドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの各州の約4分の3に相当する領土がロシアに占領されている。ルハーンシク州をロシアに奪われた結果、西側にあるハルキウに戦線が形成され、一部の村はロシア軍の占領下にある。
ウクライナ北東部のスームィ州と隣接するロシア北西部のクルスク州でも両軍の攻防が繰り広げられ、一部の村がロシア軍に占領された。ムィコラーイウとドニプロペトロウシク州の境界地域でも、小規模ながらロシア軍が優位に立ち、占領地を拡大している。
2022年2月のロシア侵攻で戦争が始まった後、ロシア軍はウクライナ奥深くまで進軍し、一時は首都キーウを狙ったものの、同年4月には攻勢が頓挫し撤退した。その後、戦線はウクライナ東部と南東部を中心に形成され、数年間にわたり両軍が攻防を繰り返しながら戦闘が続いている。
最近数か月、ロシアの執拗な攻勢が続く中、ウクライナ軍は徐々に押されつつある。ドネツク州では、ウクライナ軍が最後の防衛線として設定した、州北部のスラヴャンスクとクラマトルスク、州南部のドルジュキウカとコスチャンチニウカの4都市を結ぶ「要塞ベルト」で激しい攻防が展開されている。
ロシアはセヴァストポリを含むクリミア半島、ルハーンシク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンを自国の領土に編入したと主張しているが、ウクライナはこれを認めず、西側諸国もウクライナの見解に従っている。
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