
ウクライナがロシアのエネルギー関連施設への攻撃に集中する中、一部地域でガソリンが枯渇するなどエネルギー供給難が深刻化している。
ウクライナメディアのキーウ・インディペンデントは25日(現地時間)、ロシアの日刊紙コメルサントを引用し、占領地であるウクライナ南部クリミア半島のガソリンスタンドの半数がガソリン販売を停止したと報じた。
クリミア半島やロストフ州、ヴォルゴグラード州などを含むロシア南部連邦管区では、全ガソリンスタンドの約14%に当たる220カ所が燃料販売を中止し、エネルギー不足が最も深刻な状況となっている。
クリミア半島のある人権活動家は「道路の車が減り、路線バスは満員だ」とし、「多くの人がロシア指導部の無能を非難し、公然と怒りを表明している」と主張した。
ロシア政府はこの日、ガソリンの輸出禁止措置を年末まで延長し、ディーゼル燃料の輸出禁止も再導入することを決定した。ディーゼル燃料の輸出制限は直接生産業者ではなく仲介業者にのみ適用される。
ロシアは国内エネルギー市場の安定化を図るため、2023年9月から数カ月ごとに何度もガソリンの輸出制限を延長している。
アレクサンドル・ノヴァク副首相は「石油製品が若干不足しているが、備蓄分で不足分を補っている」と述べた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、先月以降、ロシア内の製油所38か所のうち16か所がウクライナ軍の攻撃を受け、ディーゼル燃料の輸出量が2020年以降で最低水準に落ち込んだと報じた。
ウクライナのエネルギー施設攻撃は、ドナルド・トランプ米大統領の意向に反して国際原油価格に上昇圧力をかけている。民間人の被害が拡大すれば、戦争法違反の可能性も出てくる。しかしウクライナは、前線への燃料供給とエネルギー輸出による戦費調達を遮断するとして攻撃を継続している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日、米メディア「アクシオス」のインタビューで、トランプ大統領がエネルギー施設攻撃に支持を表明したとし、攻撃を続行する意向を示した。
ウクライナ軍は24日、黒海沿岸の港湾都市ノヴォロシースクを攻撃し、カスピアン・パイプライン・コンソーシアム(CPC)とシェスハリス・ターミナルでの石油積み込みが中断された。両施設で輸出される石油は、ロシアとカザフスタン産を合わせて1日当たり200万バレルを超える。
CPCは空襲警報が発令されたため、予防措置として作業を中断したと発表した。ノヴォロシースク当局は、ウクライナ軍のドローン(無人機)が市街地の住宅7棟とホテルを攻撃し、2人が死亡、12人が負傷したと伝えた。
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