ヨーロッパの空を狙うロシア…「プーチンの心理戦にヨーロッパが乗せられた」
「ヨーロッパは(プーチンが仕掛けた)心理戦の舞台に上がってしまった」

ポーランド軍は10日(現地時間)、ポーランドのルブリン州で撃墜されたロシア製ドローンおよび被害を受けた住宅の処理にあたっている。
ドイツのメディア「シュピーゲル」が24日(現地時間)に発表した評価によると、ロシアの領空挑発に直面するヨーロッパ諸国は、ロシアが最近、軍用機とドローンをヨーロッパ東部に繰り返し送り込み、諸国の忍耐力を試している中、10日のロシア製ドローンによるポーランド領空侵犯が転機となったという。
当時、ポーランド軍はオランダのF-35戦闘機、イタリアの早期警戒管制機(AWACS)、ドイツのパトリオット防空システムの支援を受け、ロシア製ドローン3~4機を撃墜した。ウクライナ戦争以降、意図が不明瞭なロシア製ドローンによる領空侵犯に対し、直接撃墜で対応した例はこれが初めてであった。
ロシア製ドローンは13日にはルーマニアの領空に出現し、続いて19日にはロシアの戦闘機3機がエストニアの領空に12分間侵入、21日にはロシア軍の偵察機が交信なくバルト海南部の空域を飛行した。22日には正体不明のドローンがデンマークとノルウェーの首都上空に出没した。
ロシアからの空中挑発により、22~23日にはドローンの出没でデンマークのコペンハーゲンおよびノルウェーのオスロの空港が数時間にわたり運営を停止するなど、ヨーロッパは有形無形の被害を被っている。24日未明にはデンマークのオールボー空港も追加で閉鎖された。
ヨーロッパは激しい反応を示した。ラドスワフ・シコルスキ・ポーランド外相は22日、国連安全保障理事会の緊急会議において、ロシアの外交官に対し「貴国には隣国と平和共存する能力がない」と述べ、「ロシアの軍用機やミサイルが無断でNATO(北大西洋条約機構)の領空に侵入し撃墜されたとしても、今さら文句を言うな」と警告した。NATOは「イースタン・セントリー(Eastern Sentry・東部前線監視警戒)」という新任務を発動し、NATO空軍を中心に東部戦線全体の防衛体制の構築を決定した。
イースタン・セントリー作戦開始後、ポーランドのある空軍基地ではフランス製ラファール戦闘機が待機している。
シュピーゲルは、ヨーロッパの過剰反応こそウラジーミル・プーチン大統領の狙い通りだと見ている。シュピーゲルは「西側諸国に、自国の国境だけでなくウクライナの国境も案じさせることがプーチンの目的だ」とし、「NATOが東部国境により多くの注意を向けるほど、ウクライナに割く余力が減る点を計算している」と分析した。
安全保障上の危機に対しヨーロッパが極端な反応を示すことも、プーチン大統領の狙いの一つだ。ロシアの安全保障専門家であるマーク・ガレオッティ 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン名誉教授は「NATOがプーチンの『挑発』に過剰反応すればするほど、罠に嵌り自滅してしまうだろう」と指摘した。
23日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領とウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領が国連総会を機に会談し、記念撮影に応じた。
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