ホワイトハウス関係者「トランプの対ロ強硬発言は交渉戦術」
トランプ、前日「ロシア機撃墜」「ウクライナ領土回復」などの発言と対照的
「トランプの言葉だけではウクライナ政策の変更を意味しない」

ドナルド・トランプ大統領のロシアに対する激しい言辞は、クレムリンを圧迫するための「交渉戦術」だとホワイトハウス高官が24日に明らかにした。
ワシントン・ポスト(WP)は24日、これがトランプ大統領がロシアを決定的に敗北させようとするウクライナの野望を受け入れ、世界を驚かせ、ウクライナ指導者らを喜ばせた翌日の動きであると報じた。
トランプ大統領は23日、国連でのボロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領との二国間会談において、NATO加盟国が領空を侵犯したロシア機を撃墜すべきかという質問に「そうだ」と答えた。
ただし、このようなロシア機撃墜作戦に米国も参加するかどうかという質問には「状況次第だ」と、明確な回答を避けた。
トランプ大統領はゼレンスキー大統領との会談後、自身のSNS「トゥルースソーシャル」に「時間と忍耐、財政支援が十分にあれば、戦争開始時の元の国境を回復することは十分可能な選択肢だ」と投稿した。
これは、ゼレンスキー大統領がロシアとの休戦条件として継続的に要求しているロシア占領領土の回復に対し、従来の否定的な立場と相反するものだ。
トランプは長らく、ウクライナが戦争を終結させるには領土を放棄すべきだと主張してきたことを踏まえると、この発言は注目に値する変化である。
彼はロシアを「紙の虎」と呼び、「真の軍事大国なら1週間もかからずに終わったはずの戦争を、無意味に3年半も続けさせた」と貶した。
これは、ロシアがウクライナに対する「特別軍事作戦」を開始し、3日で全面掌握が可能だと豪語したことへの皮肉である。
ホワイトハウス高官は、対ロ強硬発言は、トランプ大統領とウラジーミル・プーチン大統領が先月15日にアラスカで会談した後、具体的な成果がほとんど得られていない中でのプーチン大統領への失望感の表れだと述べた。
しかし、トランプ大統領がゼレンスキー大統領と会談した日の発言だけで、米国の政策に大きな変化を示唆するものではないと付け加えた。
WPは、トランプの発言数時間後にマルコ・ルビオ長官が国連安全保障理事会で「戦争は戦場ではなく交渉テーブルで終わる」と述べたことも、トランプの新たなアプローチが実際の行動に結びついていないことを示していると解釈した。
ホワイトハウス高官は、大統領のすべての行動が「いかに和解を実現できるか」という観点から行われていると述べた。
この関係者は「トランプが示したいのは、プーチンが平和を望まないのであれば戦闘を続行させ、我々は引き続きNATOに武器を供給するということだ」と説明した。
ウクライナ高官は、トランプ大統領が追加の実質的措置を講じなくとも、彼の強硬で目立つ姿勢だけで、ワシントン内の他の共和党関係者が親ウクライナ的立場を取るきっかけになるだろうと述べた。
一部の親トランプ共和党関係者は、大統領の意見に反する事態を避けるため、ウクライナへの全面的な支持を控えてきたという。
このウクライナ関係者は、今後、彼らがロシアに対する制裁を含む交渉により積極的に関与するようになるだろうと述べた。
ホワイトハウスの別の高官は「トランプ大統領はプーチンにうんざりしており、依然としてロシアへの制裁を検討している」と語った。
WPは「トランプは交渉を円滑に進めるため、状況に応じてウクライナとロシアに対する鋭い言辞を使い分けるパターンを示してきた」とし、「その結果、両側ともトランプ大統領とのコミュニケーションには成功したが、両国間の平和実現にはまだ大きな影響を与えていない」と分析した。
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