
欧州連合(EU)の首脳らが、ロシア製ドローン(無人機)の脅威に対抗する「ドローンバリア」構想をめぐり意見の食い違いを見せている。1日、ユーラクティブ、ドイチェ・ヴェレなどによると、EUはこの日デンマークのコペンハーゲンで非公式首脳会議を開いたという。今月23~24日にベルギー・ブリュッセルで予定される正式な首脳会議を前に、主要議題を事前に調整する場となった。今回の会議では、ロシアのドローン攻撃に対する防御策やウクライナ支援を中心に議論が進められたという。
議長国であり、最近正体不明のドローンが連日発見されているバルト海沿岸国のデンマークは、強力な対応を求めた。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は「我々は第二次世界大戦終結以来、最も困難で危険な状況に直面している」と述べ、「(ロシアの)ハイブリッド戦争を自国ではなく、欧州の観点から見るならば、我々全員が再武装しなければならないことに同意すべきだ」と主張した。ハイブリッド戦争で使用される多様な手法のため、国家レベルでは防御が困難だとし、「ウクライナ侵攻は欧州全体を脅かすロシアの試みだ」と非難した。
バルト海沿岸国のラトビアのエビカ・シリニャ首相は「ドローンを活用すれば非常に迅速に進行できる」とし、「3年も必要ない。1年から1年半で可能だ」と強調した。リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領も「文書だけではロシアやベラルーシからのドローンを探知できない。我々には行動が必要だ」とし、迅速な措置を求めた。

ロシアから比較的離れている西欧諸国は慎重な姿勢を示した。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は取材陣に「ドローンバリアは単にドームや壁を設置することよりもはるかに複雑だ」と述べ、防衛産業プロジェクトの推進を急ぐべきではないとした。さらに「脅威をより正確に予測し、共同開発するためには先進的な警報システムが必要だ」とし、「長距離発射能力、欧州の弾道能力、ドローンバリアシステムで抑止力を高めるべきだ」と主張した。
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相はドローン対応よりウクライナ支援に焦点を当てた。スペインのペドロ・サンチェス首相もドローンバリアに関する質問を避け、ハイブリッド攻撃の脆弱性問題に集中した。イタリアのジョルジャ・メローニ首相は「東側だけを見て南側の存在を忘れれば効果的でないリスクがある」とし、「我々は冷静に考え、挑発に反応せず、自ら備えなければならない」との立場を示した。

ロシアの凍結資産を利用したウクライナ支援には概ね支持が示されたが、温度差があった。フィンランド、スウェーデン、エストニアの首脳はロシア中央銀行の凍結資産でウクライナに1,400億ユーロ(約24兆1,701億円)を貸し出す案を積極的に推進すべきだと促した。オランダとフランスは財政的リスクが解決されることを前提に計画に賛成する立場を示した。マクロン大統領は「欧州は魅力的で信頼できる場所であり続けなければならない」とし、「これは資産凍結の際に国際法を遵守することを意味する」と強調した。
EUのジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は若干の意見の相違にもかかわらず、合意に達するため迅速に努力しているとし、「まだすべての加盟国が支持しているわけではないため、やるべきことが多い」と述べた。クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアの凍結資産を使用することは「窃盗」であり、ロシアの資産を流用すれば責任を問うと警告した。
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