
ウクライナへのトマホーク巡航ミサイル供与をめぐり注目が高まる中、ゼレンスキー大統領がその購入資金の調達計画を明らかにした。
ウクライナのメディア「ユナイテッド24」などによると、ゼレンスキー大統領は10月13日(現地時間)、トマホーク購入のために検討している3つの資金調達案を説明した。
最初の案は、北大西洋条約機構(NATO)のウクライナ優先要求リスト・プログラム(PURL)を活用する方法である。
この仕組みは、加盟国が米国製兵器を購入しウクライナに供与するもので、現在最も一般的に用いられている調達ルートとされる。
2つ目の案は、ウクライナと米国が大規模協定を締結し、資金と兵器を確保する形だが、実現には時間を要するとの見方が出ている。
3つ目は、欧州連合(EU)が凍結したロシア資産を活用してウクライナを支援する方法である。
ゼレンスキー大統領は「ロシアの凍結資産を利用するのは良い選択だが、まず政治的決断が必要だ」と述べた。
実際、EUは域内に凍結されたロシア中央銀行資産のうち約1,400億ユーロ(約24兆7,000億円)を、「賠償金融資」としてウクライナに提供する案を検討している。
一方、ロシアのクレムリン(大統領府)は10月1日、「EUによるロシア凍結資産の転用は『窃盗行為』だ」と強く反発した。

ゼレンスキー大統領は先月の国連総会期間中に開かれた非公開会合で、トランプ米大統領にトマホーク供与を要請していたことも明らかになっている。
この報道が伝わるとロシアは激しく反発し、プーチン大統領は10月2日、「米国がトマホークを供与すれば、緊張は新たな段階に突入する」と警告した。
しかし、トランプ大統領は12日、「ロシアが戦争を続けるなら、米国はウクライナへのトマホーク供与を検討する」と応酬し、「ミサイルをウクライナに直接販売するのではなく、NATOに提供し、NATOがウクライナに引き渡すことが可能だ」と述べた。

トマホークは米国が開発した長距離巡航ミサイルで、「戦争の開幕を告げる狼煙」とも呼ばれる。
米国が軍事介入する際、開戦初期に敵の重要拠点を破壊するために使用され、その射程は約2,400キロに達する。
この長射程により、もしウクライナが運用すれば、モスクワなどロシア本土深部への攻撃も可能となる。
ウクライナはこれまでにも米国にトマホーク供与を繰り返し求めてきたが、ロシアの報復を懸念した米側は応じてこなかった。
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