
AIデータセンターの建設計画が加速するなか、電力需要が急増している。これに伴い、太陽光発電や電力インフラ関連株の上昇基調が続くとの見方が広がっている。
最近、米オープンAIはブロードコムと今後4年間で10ギガワット(GW)相当のカスタムAI半導体を購入する契約を締結した。両社は18ヶ月前からオープンAI向けのカスタムAI半導体開発を開始しており、サーバーラックやネットワーク機器などのコンピューティングシステム開発でも協力しているという。
オープンAIは最近、エヌビディアやAMDとも大規模なGPU購入契約を結んでいる。3社から購入予定のコンピューティング能力は合計26GWに達し、これは米国最大都市ニューヨークの夏季電力需要の2倍以上に相当する規模だ。
しかし、OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は「それでもまだ十分ではない」との認識を示し、2033年までに250GW規模のコンピューティング能力を構築する計画を明らかにした。
専門家は、オープンAIが半導体メーカーと大口契約を結ぶ目的について「GPU調達コストの抑制にある」と分析した。
エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアン氏によると、1GW規模のAIデータセンター構築には500億ドル(約7兆5,602億5,792万円)が必要で、そのうち350億ドル(約5兆2,928億5,525万円)が半導体、150億ドル(約2兆2,683億6,653万円)がインフラ構築費用だという。つまり、AIデータセンター建設費用の約7割を半導体が占めることになる。
オープンAIは半導体メーカーとの長期大規模契約によってコストを抑制しようとしている。また、エヌビディアへの依存度を下げるため、AMDやブロードコムとの提携を通じて、供給競争環境を整備しているとみられる。
安定的なGPU確保も大規模契約の背景にある。AIデータセンター需要の急増により、半導体の供給不足が問題となっている。オープンAIはこうした購入契約で大量の半導体を確保し、十分なAIデータセンター能力を確保することで、AIサービスの運用コスト削減にもつなげようとしている。
専門家は、AIデータセンター構築計画が大規模化するほど、電力不足問題がより深刻化すると指摘した。
各国で高密度・大容量のAIデータセンター建設プロジェクトが次々と発表され、今後も建設の加速が見込まれる。しかし、依然として電力が課題となっている。AIデータセンターの構築には長くても2~3年で済むが、電力インフラの整備には5~10年、場合によってはそれ以上の時間を要するためだ。
専門家は、「AIデータセンター構築を加速させるには太陽光発電が不可欠だ」と述べた。太陽光発電は環境に優しい再生可能エネルギーであり、RE100に参加する技術企業にとって必須であると同時に、即時発電が可能という緊急性の観点から最も需要が高いと分析している。
実際、今年追加された発電容量における太陽光の割合は昨年と同程度だ。再生可能エネルギーの間欠性問題を緩和するため、エネルギー貯蔵システム(ESS)の拡張も急速に進んでいる。中国がESSに必要なバッテリーを交渉カードとして持ち出した理由もここにあると解釈できる。
専門家は、「米国にとっては電力が、中国にとっては半導体がボトルネックとなっており、双方が相手の致命的な弱点を突ける状況にあるため、米中対立が極端な事態に発展する可能性は低い」と付け加えた。
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