
ドナルド・トランプ米大統領は、中国による台湾侵攻の可能性について「中国はそんなことをしたくないだろう」と一蹴したうえで、「アメリカは世界で最も強力な軍事力を持つ国だ」と強調した。米中貿易交渉に関しては「素晴らしい合意を結ぶことになるだろう」と期待を示しつつ、「中国が応じなければ窮地に陥る」と述べ、引き続き圧力をかける姿勢を見せた。
トランプ氏は20日(現地時間)、ホワイトハウスでオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と会談した際、「中国による2027年の台湾侵攻の可能性に関連して、インド太平洋地域でAUKUS(オーカス=米・英・豪による安全保障協力枠組み)が中国抑止の手段となるか」と問われ、「そうだ」と回答した。ただし、「AUKUSを通じた中国抑止を必要とする事態にはならないと思う」とも付け加えた。
トランプ大統領は「アメリカは世界で最も強力な軍事力を持つ国であり、その力は他国と比べても圧倒的だ」と述べ、「アメリカに対抗できる国はないだろう」と強調した。
また、習近平国家主席について「そのような事態(アメリカに立ち向かうようなこと)が起こるとは全く思わない」と述べ、「台湾問題などについても、私たちは非常にうまく対応できると思う」と語った。そのうえで「だからといって台湾が彼にとって『特別な存在』ではないという意味ではない。おそらくそうだろう。しかし、私は何も起こらないと思う」と述べ、楽観的な見方を示した。
米情報当局によると、習主席は軍に対し、2027年までに台湾攻撃の準備を整えるよう指示しているという。
米中貿易交渉について、トランプ大統領は「最終的には中国と素晴らしい合意を結ぶことになるだろう」と述べ、「それは世界全体にとっても素晴らしいことになる」と強調した。
そのうえでトランプ氏は、日本や欧州連合(EU)、韓国と「公正な貿易協定を結んだ」と紹介した。「EUもかつては我々を利用しようとしていたが、今は違う。非常に公正な協定を結んだ。日本とも公正な協定を締結し、習主席と会う予定の韓国とも公正な協定を結んだ」と述べた。
ただし、米韓間では現時点で最終的な貿易合意には至っておらず、トランプ氏があたかも交渉が完了したかのように発言した点が注目されている。
トランプ大統領は、習近平国家主席と公正な協定を結ぶとし、「韓国を離れる頃には、そうでないかもしれないが、いずれ非常に強力な貿易協定を締結できると思う。双方が満足するだろう」と強調した。
一方で、対中関税をめぐっては「中国が私たちと取引しなければ、大きな窮地に陥るだろう。彼らがそれに耐えられるかどうかは分からない」と述べた。そのうえで「私は中国が偉大になり、繁栄することを望んでいる。しかし、私たちは共に繁栄しなければならない」と語った。
中国による希土類輸出制限への対応策として、トランプ大統領は関税と航空機部品の供給停止を挙げた。「中国は希土類の供給制限を通じて圧力をかけてきた、私は関税で対抗した。しかし、航空機など他の多くの分野でも中国に対抗できる」と述べた。
トランプ大統領はアメリカの航空機製造業者ボーイングを例に挙げ、「中国は航空機部品を自力で調達できないため、私たちが部品供給を中断すれば影響を受ける」と述べ、「実際に中断したこともある。中国が最初に希土類で脅威を示した際には、400機以上の飛行機の運航が中断され、大きな影響があった」と語った。
さらに、トランプ氏は習近平国家主席から招待を受け、来年初めに中国訪問を予定していることを明かし、「ある程度、日程は調整済みだ」と述べた。
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