
トランプ政権は、米政府のシャットダウン(一時的な業務停止)で凍結されていた米農民向け支援金30億ドル(約4,554億1,401万円)以上の放出を計画している。これは、関税政策の影響で苦境に立たされているドナルド・トランプ米大統領の主要支持基盤である中西部農業地域の住民への打撃を和らげることを狙ったものとみられる。
21日(現地時間)のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ政権の関係者は、トランプ大統領が米農務省(USDA)に対し、就任初期に困窮農家支援のために使用した基金から支援金を配布するよう指示したと明かしたという。
今月1日から始まったシャットダウンにより農務省の事務所が閉鎖され、職員は一時帰休になっており、現時点で農家は農業支援金などのプログラムを利用できない状況だ。ただし、トランプ大統領の今回の指示により、農務省は23日(現地時間)から米国農業サービス機関の主要業務を再開する予定である。
関税と米中貿易戦争の影響で被害を受けた農家は、トランプ大統領の主要支持基盤である中西部農業地域の住民である。今回の支援金には、この核心支持層の経済的打撃を緩和し、被害を最小限に抑えようとする政治的意図が込められている。
近年、米国の農家はトランプ大統領の対中貿易戦争により苦境に立たされている。特に大豆の収穫量は今年過去最高を記録したものの、最大の輸出先である中国は報復措置として、ここ数か月間大豆の購入を拒否している。米政府のデータによれば、今年の米国大豆農家の損失は1エーカー当たり約100ドル(約1万5,176円)と推定されるという。さらに、関税政策は肥料や農機具のコスト上昇を招き、農家の収益を圧迫している。
これを受け、トランプ政権は関税の影響を受けた農家のために100億ドル(約1兆5,176億円)以上の救済金の準備を検討しているが、これもシャットダウンの影響で執行が保留されている。
これに先立ちトランプ大統領は、今月末に韓国で開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会談を機に、中国の習近平国家主席に米国産大豆の購入を促す計画だと明かしていた。しかし、この日「首脳会談が開催されない可能性もあり、何が起こるか分からない」と述べ、会談不発の可能性にも言及した。
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