
中国軍の戦闘機がオーストラリア軍の海上哨戒機にフレア(赤外線誘導のミサイルから身を守るために用いる赤外線対抗装置)を至近距離で発射し、威嚇する事件が発生した。20日(現地時間)、オーストラリアのABCニュースなど海外メディアは「19日の午後、南シナ海上空で監視活動中のオーストラリア空軍のP-8海上哨戒機に、中国人民解放軍空軍所属のSu-35戦闘機が接近し、フレアを2回発射した」と報じた。
オーストラリア軍は空中で撮影した映像を公開した。映像には中国軍戦闘機がオーストラリア軍哨戒機に急接近し、至近距離でフレアを発射して挑発する様子が捉えられている。中国軍が発射したフレアは、2回にわたり計30発以上だ。そのうち2発はオーストラリア軍哨戒機に極めて接近し、直接的な脅威になった。
オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防相は「今回の事件は19日に公海上空で発生し、人的被害や機体損傷はなかった」とし、「中国軍のこの行為は『別の結果』を招きかねなかった。中国軍戦闘機の行動は安全ではなく、非専門的だった」と非難した。さらに「中国軍の危険行為に対応する包括的戦略の一環として今回の事件を公開する」と述べ、「オーストラリア軍は今後も国際水域で作戦を継続する」と語った。

中国軍は、オーストラリア軍用機が自国領空を侵犯したため、警告を発し追い返したと主張した。南シナ海を管轄する中国人民解放軍南部戦区の報道官は「オーストラリア軍の哨戒機が中国政府の許可なく、南シナ海のパラセル諸島上空の中国領空に侵入したため、これを追跡・監視し、強硬な対応措置を講じて追い返した」と発表した。
2月には、中国軍戦闘機が南シナ海の国際水域で定期巡回中のオーストラリア軍のP-8哨戒機に対し、中国のJ-16戦闘機が30mの距離からフレアを発射し挑発した。また、同月20日には、中国人民解放軍海軍の駆逐艦がオーストラリア東海岸の排他的経済水域(EEZ)に接近した。さらに、5月には、西海の公海上で哨戒作戦中のオーストラリア海軍所属ヘリコプターに対し、中国軍戦闘機が接近し、威嚇行為を行った。
コメント0