
臨月の妊婦を自宅に残したまま家を出た夫が、妻に平手打ちされ、その後離婚訴訟を提起したと伝えられた。
20日、韓国の放送局YTNラジオ番組「チョ・インソプ弁護士の相談所」では、22歳で休学中のAさんの話が紹介された。Aさんは「夫から離婚訴訟を起こされた」として助けを求めたという。
Aさんによると、「昨年、友人の紹介で夫と出会い、妊娠を機に急いで結婚した。夫はオンライン販売業を営んでいるが、商売がうまくいかないと話していた」という。結婚後は些細なことで毎日のように口論が絶えず、臨月の際には夫が離婚を告げて家を出たという。「あまりの苦しさに「死ぬところを見たいのか」とメッセージを送ったところ、夫が警察に通報し、警察が来たこともある」と明かした。
数日後、Aさんは破水し病院に搬送されたが、夫は電話に出なかった。Aさんによると、母親が夫に「もうすぐ帝王切開手術に入る」と伝えると、ようやく病院に現れたという。出産から5日後、体調が回復し自宅に戻った後も夫婦は口論となり、その瞬間、抑えきれない怒りからAさんが夫の頬を叩くと、夫は再び警察に通報し、家を出た。その後、夫は離婚訴訟を起こし、すべての経済的支援を断った。
Aさんは「私ももう別れたい。財産らしい財産はほとんどない」と述べ、「夫が持っていた1,000万ウォン(約110万円)で新婚向けのオフィステルを借り、生活費は夫の両親の支援を受けていた。夫は1,000万ウォンを借りて家電や出産準備に充てたが、夫が家を出た後、私が家具や家電を返品し、返金を受け取った」と語った。
Aさんはさらに、「本当に大きな問題は、引っ越しを予定していたマンションだ」として、「契約金1,800万ウォン(約190万円)は夫と折半し、それぞれ900万ウォン(約95万円)ずつ負担した。残りの保証金は夫名義で借りたが、夫は私に知らせずに契約を一方的に解除した」と明かした。
続けて「夫は契約金の一部を借金の返済に充てたと言っている。私の負担分である900万ウォンを返してほしいと要求したところ、仲介手数料や利子を差し引けば渡せるお金がないと拒まれている」とし、「赤ちゃんはまだ生まれたばかりで、私は学生。どう生きていけばいいのか分からない」と訴えた。
これに対し、法律事務所シンセゲロのアン・ウンギョン弁護士は、Aさんにも婚姻破綻に対する一定の責任は認められるものの、「夫の責任の方がより大きい」と指摘。「夫が同居義務や扶養義務、協力義務を怠った点が重大であるため、Aさんは反訴により離婚を請求することが可能だ」と助言した。
また、慰謝料の請求については「Aさんの一部過失や夫の経済状況が考慮され、金額は1,000万ウォン以内になると予想される」と説明。「マンションの賃貸契約金のうち、Aさんが負担した900万ウォンに含まれる借入利子や手数料は控除されるが、夫が一方的に契約を解除したことによる仲介手数料まで差し引くのは不当と判断される」と述べた。さらに、「婚姻中に夫が借り入れた1,000万ウォンや、Aさんが返金を受けた家具代は、いずれも夫婦の共同生活のために使われたため、財産分与の対象に含まれる」と付け加えた。
養育権については、「子どもを長期間世話してきたAさんに認められる可能性が高く、夫に対して過去の養育費や今後の養育費を全額請求できる」と指摘し、「離婚訴訟中には「仮処分制度」を通じて、判決が下る前でも仮養育費の支給を申請することが可能だ」と説明した。













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