
複数のロシア海軍艦船を破壊し、黒海で費用対効果の高い活躍を見せたウクライナの海上ドローン(無人機)が再び恐るべき進化を遂げた。22日(現地時間)、AP通信など海外メディアは、ウクライナ保安庁(SBU)がアップグレードされた無人水上艇(USV)「シー・ベビー(Sea Baby)」を公開したと報じた。
この日、メディアに公開されたシー・ベビーは、黒海のどこでも作戦が遂行できるよう行動範囲が拡大され、重火器とAI(人工知能)技術が搭載され、より精密に目標を攻撃できるようになった。報道によると、次世代シー・ベビーの作戦範囲は1,500km、最大2,000kgの爆発物が搭載可能だという。

昨年の時点でシー・ベビーは、約1,000kgの爆発物を積載し1,000kmの移動ができた。また、シー・ベビーには多連装ロケット発射機と自動で標的を捕捉し認識する機関銃も装備された。SBUのイワン・ルカシェビッチ准将は「我々の海上ドローンは黒海の勢力バランスを変え、すでにその効果を証明した」とし、「次世代シー・ベビーはさらに向上した性能を持ち、黒海でロシア艦隊を掃討する作業を続ける」と述べた。
実際、シー・ベビーを含むウクライナの海上ドローンは、今回の戦争で予想外の大活躍を見せた。地上ではロシアの大規模な攻勢に押されているが、黒海ではロシアが苦戦している状況で、事実上海軍を持たないウクライナ軍にとって驚くべき成果だ。このようにウクライナが黒海で大きな戦果を上げられる背景には、まさに海上ドローンの存在がある。ウクライナは様々な種類の海上ドローンを保有しており、その中でシー・ベビーは計11隻のロシア艦船攻撃に参加し戦果を上げた。

ウクライナ軍がロシアの黒海艦隊を攻撃する理由はクリミア半島の戦略的価値と密接に関連している。2014年、ロシアは世界の批判にもかかわらず黒海の戦略的要衝であるクリミア半島を強制併合した。軍事的に見ると、クリミア半島には年中凍らない不凍港セヴァストポリ港があり、ロシア軍はここを黒海艦隊の駐留基地として利用してきた。しかし、海上ドローン攻撃に悩まされていたロシア軍は、結局黒海艦隊の相当な戦力をセヴァストポリから遠く離れたロシア南西部ノヴォロシースクに移さざるを得なくなった。
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