
カナダのマーク・カーニー首相は22日(現地時間)、「米国との緊密な関係に基づいていたカナダの過去の強みが、今や弱点になっている」と述べ、今後10年以内にカナダの米国以外への輸出を2倍にする目標を示した。
4日に政府予算を発表する予定のカーニー首相は、この日の夕方の国民向け演説でこう述べた。「米国の関税によって最も大きな打撃を受けた産業(自動車、鉄鋼、木材)の労働者の雇用が脅かされている。国内企業は投資決定を先延ばしにし、我々全体を苦しめる不確実性の影にとらわれている」と指摘した。
さらに「米国は貿易に対するアプローチを根本的に変えた。彼らは関税を大恐慌以来の水準まで引き上げた」と述べ、「我々は自国を守る必要がある。一国の外国パートナーに依存するわけにはいかない」と強調した。また「現在、我々はインドや中国という世界の大国と再び協力している」と彼は付け加えた。
カナダの輸出の75%は米国向けで、米国にとってもカナダは36州で最大の輸出相手国になっている。毎日、約36億カナダドル(約3,920億3,989万円)相当の商品とサービスが国境を越えている。カーニー首相はカナダを「エネルギー大国」と称し、世界第3位の原油埋蔵量と第4位の天然ガス埋蔵量を有すると述べた。米国が輸入する原油の約60%がカナダ産であり、輸入される電力の85%もカナダ産である。
また、カナダは米国にとって鉄鋼、アルミニウム、ウランの最大供給国であり、国防省が国家安全保障上重要と位置付け、確保・投資を進める34種類の重要鉱物および金属を保有している。カーニー首相は「率直に言うと、我々の経済を簡単に、または数か月で変えることはできない。一定の犠牲と時間が必要だ」と断言した。
コメント0