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「中国に追い越される…」危機のNASA、「月探査計画」を復活!2030年までに月に「原子炉設置」へ

荒巻俊 アクセス  

引用:NASA
引用:NASA

ドナルド・トランプ大統領の二期目就任後、構造改革と予算削減の懸念などで萎縮していたNASA(米航空宇宙局)が、最近、宇宙競争力を拡大する中国の脅威に対し復活の兆しを見せ始めている。NASAは昨年中止した「VIPER」プロジェクトを復活させ、2027年に月南極探査を再開する計画で、早ければ来年2月に有人月探査機「アルテミス2号」の打ち上げも試みる見込みだ。また、米国は中国とロシアが2035年までに月に原子力発電所を建設することに合意したのに対抗し、これより5年早い2030年までに原子炉の設置を目指すなど、宇宙覇権競争を本格化させている。ただし、最近の米国共和党と民主党の来年度予算案不一致による連邦政府の「政府閉鎖(一時的業務停止)」により、NASAが復活の勢いを再び失う可能性があるとの懸念も出ている。

トランプ2期政権発足で危機に陥ったNASA…構造改革・予算削減などの懸念が高まる

トランプ大統領は二期目を正式に開始した昨年1月20日(現地時間)の就任演説で「米国の宇宙飛行士を火星に送り、そこに星条旗を立てる」と述べたが、科学界では彼の就任後、NASAが危機に直面する可能性があるとの分析が出された。イーロン・マスク(テスラCEO)らを前面に出し、政府効率化省(DOGE)を新設したトランプ大統領が、就任前から告知していた公務員の構造改革計画がNASAにも及ぶのではないかとの懸念があった。一部の海外メディアはトランプ政権がNASAの予算を最大50%削減する可能性があると報じた。実際、昨年2月にNASAと協力する米航空宇宙企業ボーイングが、宇宙発射システム部門で約400人を削減すると発表したことから、NASAだけでなく米国の民間宇宙産業部門も揺らいでいるとの指摘が出ている。

このようなNASAの危機は、米国内の要因だけでなく、中国との競争激化など外部要因によってもさらに高まっている。特に中国は2004年から嫦娥プロジェクトを通じて月探査および探査機の開発・打ち上げに拍車をかけてきた。昨年には嫦娥6号を月に打ち上げ、世界初の月の裏側の土壌サンプルを持ち帰る成果を上げた。また、中国は来年、地震計を搭載した月探査機嫦娥7号を月に送り、月の地震を研究し、月内部を探査する計画であり、水と氷の存在証拠を探す任務もある。2028年には嫦娥8号を送り、月資源活用実験を行うなどのスケジュールも立てている。また、中国はロシアと共に2021年に月研究基地(ILRS)共同建設計画を発表した後、昨年5月には2036年完成を目指す月基地用原子力発電所を2035年までに月に建設することに合意した。

中国発の脅威が高まり、NASA復活の兆し…VIPERプロジェクト復活、アルテミス2号早期打ち上げ、原発建設など各種宇宙探査に拍車

このような危機的状況の中、最近NASAは終了させたプロジェクトを復活させたり、遅延していたロケット打ち上げを前倒しするなど、各種宇宙探査計画に急ピッチで取り組んでいる。特にNASAは昨年7月、コスト増加と度重なる遅延により中止されていた月探査ロボットVIPERプロジェクトを再開した。Amazon創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏が設立した米国の民間宇宙企業ブルーオリジンと協力し、2027年の月着陸を目指してプロジェクト復活を宣言したのである。NASAは、ブルーオリジンの無人月着陸船「ブルームーン・マーク1(Blue Moon MK1)」を通じてVIPERローバーを月まで輸送し、月に到着したVIPERロボットは今後の月有人探査に必要な科学データの収集に注力する予定だ。

また、NASAは宇宙飛行士を月軌道へ送る「アルテミス2号」の打ち上げを、当初の計画であった来年4月より2カ月前倒しして行える可能性があると明らかにした。アルテミス2号は、米国人3名とカナダ人1名で構成された宇宙飛行士を乗せ、着陸せずに月の周回軌道を周回し、帰還する任務を遂行する。彼らは1972年のアポロ17号以来、半世紀ぶりに月軌道を回ることになる。月着陸任務は、2027年に打ち上げられるアルテミス3号が担当する予定だ。その後、2035年までに宇宙飛行士が月で最大180日間長期滞在できる基盤施設の構築計画もある。

また、NASAは中国の月原発建設計画に対抗し、当初の計画である2035年より5年早い2030年までに、月に最低100kW容量の原子炉を設置するという目標を示した。この容量は約80世帯に電力を供給できる規模である。この計画を発表したショーン・ダフィー米国運輸省長官兼NASA長官代行は、「将来の月経済を支援する一方、火星でのエネルギー生産や、宇宙における国家安全保障を強化するためにも、この重要な技術を適切に発展させるには、NASAが迅速に動くことが不可欠だ」と強調した。NASAは、今後2カ月以内に関連企業の意見を収集する計画だ。

復活の狼煙を上げたが…新たな変数として浮上した米国の政府閉鎖

しかし、こうしたNASAの復活の試みは、最近続いている米連邦政府の政府閉鎖により支障を来す可能性があるとの懸念も出ている。NASAも連邦政府機関であるため、米国の与野党が来年度予算案で合意できない状況下で、職員に給与を支払えず、各種プロジェクトが中断する恐れがあるというのだ。米メディアによると、NASA職員は政府閉鎖後も月探査関連任務を中断せずに続行するよう指示を受けており、現在は無給で勤務中だが、政府閉鎖終了時にはその期間中未払いとなった未払い給与が一括で支給されるという政府の約束を受けている。ただし、政府閉鎖が長期化するほど、NASAが進める各種月関連宇宙プロジェクトが直接的・間接的に影響を受けざるを得ないと指摘されている。

荒巻俊
//= the_author_meta('email'); ?>editor@kangnamtimes.com

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