
寿命を迎えた人工衛星や使用済みロケットの破片などの宇宙ゴミを除去する新技術が2029年に登場する見込みだ。電荷を帯びた超微小粒子を宇宙ゴミに向けて連続発射し、地球からできるだけ遠くへ飛ばす方法である。
米国の科学メディア「Space.com」などは26日(現地時間)、フランス企業「OSMOS X」とカナダ企業「NorthStar」、スペインやドイツの大学の科学者らで構成された共同研究チームが、地球軌道を周回する宇宙ゴミ除去のための新技術開発に着手したと報じた。
「ALBATOR」と名付けられたこの技術開発には、欧州委員会が2029年2月までに総額390万ユーロ(約6億9,289万円)を投じる。
現在、地球軌道には1㎜以上の宇宙ゴミが最大1億4,000万個存在すると推定されている。寿命を迎えた人工衛星からロケットの残骸、宇宙飛行士が船外活動中に落とした工具まで、すべてが宇宙ゴミだ。衛星同士の衝突で生じた破片も宇宙ゴミに分類される。
問題は、宇宙ゴミの驚異的な速度にある。時速2万5,200㎞で地球周回軌道を周回しており、人工衛星や宇宙船と衝突すれば、機体に穴を開け致命的な損傷を引き起こす可能性がある。
ALBATORの核心は、無人宇宙船を打ち上げ、こうした宇宙ゴミに向けて「イオンビーム」を連続発射することにある。イオンビームは、電荷を帯びた原子のような超微小粒子を電場で加速して作り出す一種の弾丸である。
ここで重要なのはイオンビームの発射方向である。研究チームは、地球軌道から遠い宇宙の方向にイオンビームを発射する計画である。そうすることで、イオンビームに当たった宇宙ゴミも遠方の宇宙へと押し出されていく。
これまで科学界では、宇宙ゴミ除去のための技術開発が進められてきた。しかし、ALBATORのような「非接触」方式ではなく、宇宙ゴミに網や銛を発射して捕獲する「接触」方式が一般的だった。このように捕獲した宇宙ゴミを地球大気圏に引き込み、空気との摩擦熱で焼却するという概念が主流であった。
しかし、この接触方式には問題がある。捕獲中に網を発射する宇宙船と宇宙ゴミが衝突する危険性があるほか、宇宙ゴミが極めて小さいか形状が不規則な場合、捕獲自体が困難になる。イオンビームを発射する非接触方式は、こうした課題を解決する。
NorthStarは公式声明で「捕獲過程で生じ得る危険を回避する技術」であり、「地球軌道における宇宙ゴミの拡散に対処する安全な方法になるだろう」と述べた。














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