
世界の主要核保有国が相次いで核戦力の強化競争に乗り出している。最近、ロシアが原子力推進大陸間巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の試験発射成功を発表したのを皮切りに、フランスが核戦力を公開し、米国までも米中首脳会談に先立ち核兵器試験の再開方針を明らかにした。中国も中国共産党全体会議で核戦力強化を宣言したとされ、潜在的な核戦争への懸念が高まっている。
29日(現地時間)、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は核兵器が搭載可能で核発電装置を装備した水中無人機(ドローン)「ポセイドン」の実験に成功したと明らかにした。26日にも無制限射程を誇る新型原子力推進大陸間巡航ミサイル「ブレヴェスニク」の試験発射を成功裏に終えたと述べている。
「タス通信」などロシアの主要メディアによると、プーチン大統領はウクライナ「特別軍事作戦」で負傷した兵士たちと会った席で、水中無人機の実験を成功裏に終えたと述べたという。彼は「この水中無人機は速度と運用深度の面で世界に類似体がなく、近い将来に現れる可能性もない。迎撃する方法がない」とし、核戦力を公然と誇示した。
さらに、ポセイドンの威力は核弾頭搭載が可能な次世代大陸間弾道ミサイル「サルマト」を上回ると説明した。サルマトは一度に10~15個の核弾頭が搭載でき、射程が1万8,000kmに達し、米国のニューヨークやワシントンなど本土を攻撃できる兵器である。

主要核保有国であるフランスも核戦力強化の列に加わった。米国の軍事専門誌「ディフェンスニュース」によると、フランス国防省は28日、潜水艦発射戦略弾道ミサイル「M51」の新バージョン導入を発表した。「M51.3」ミサイルは新しい核弾頭を搭載しただけでなく、射程、精度、敵防御線の貫通能力が向上したとフランス国防省は伝えた。
M51.3ミサイルは、射程9,500kmで4~6個の核弾頭が装着されており、核弾頭1個が100kt(キロトン)の爆発力を持つとされる。これは1945年、米国が広島に投下した「リトルボーイ」の6倍を超える威力である。
米国のドナルド・トランプ大統領は30日、ロシアと中国を名指しで批判し、これらの国々に倣って米国も核兵器実験を再開するよう戦争省に指示したと発表した。この発言は、中国の習近平国家主席との首脳会談をわずか1時間後に控えたタイミングで行われたものである。
「ロイター通信」によると、トランプ大統領はこの日自身のソーシャル・メディアに「他の国々の試験プログラムに従い、私は同等の基準で我々の核兵器試験を開始するよう戦争省(旧国防省)に指示した」と述べた。
中国も今後5年間で米国、ロシアとの格差を縮めるために核兵器の拡張・現代化に取り組むとともに、2次打撃能力強化に焦点を当てるという報道があった。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は30日、「中国共産党中央委員会第4回全体会議で承認された第15次5か年計画期間(2026~2030年)に核能力強化策が含まれている」と報じた。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は先月の報告書で中国は現在約600個の核弾頭を保有しており、2023年以降毎年100個の核弾頭を増やすと推定している。ただし2035年までに最大核弾頭1,500個を保有してもロシアと米国の3分の1レベルになると予想している。
 
            


















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