
テスラが自動運転専用のロボタクシーモデル「サイバーキャブ」を11月5日から10日まで上海で開催される「中国国際輸入博覧会(China International Import Expo)」で披露する。これはサイバーキャブの初のアジア市場公式デビューになる見込みだ。
30日(現地時間)、ロイター通信によると、テスラの副社長であるタオ・リン氏は中国のSNSウェイボーで「サイバーキャブが今年の上海輸入博覧会で公開される」と述べ、「テスラの革新技術を中国の来場者に披露できて嬉しい」と明かしたという。ただし、今回の展示が中国内での実際の路上走行を伴う実演かどうかは不明だ。テスラ側は現時点では「展示中心の公開イベント」と限定的に言及している。
サイバーキャブは昨年10月にテスラが初めて発表したロボタクシー専用車両だ。最近、テスラはサイバーキャブをステアリングとペダルを備えた一般車両形態で販売する可能性も示唆した。テスラのロビン・デンホルム会長はブルームバーグとのインタビューで「ステアリングが必要なら取り付けられる。ペダルも装着できる」と述べた。デンホルム会長は「サイバーキャブは投資家が一般に『モデル2』と呼ぶ、モデル3よりも低価格の車両だ」とし、完全自動運転技術の商用化に集中していたテスラの製品戦略の変化を示唆した。
テスラのイーロン・マスクCEOは昨年10月、ロサンゼルス近郊の映画スタジオでステアリングとペダルのないサイバーキャブの試作品を初公開した。当時彼は「2万5,000ドル(約384万9,769円)の一般電気自動車を作るのは無意味だ」と述べ、「それはテスラの理念に真っ向から反する」と強調したが、今回の発言はその立場から若干後退したことを示している。
ブルームバーグはデンホルム会長の発言を、規制環境の変化に合わせて車両設計を一部修正し市場参入障壁を下げようとする動きと解釈した。テスラは2026年の量産を目指しており、自動運転車関連の安全基準緩和に向け規制当局を説得している。しかし、米国の規制当局は依然としてステアリングとペダルの装着を法的に義務付けている。
投資家の間では今回の発言を「テスラが結局実用路線に回帰した」という兆候と見ている。マスクCEOが強調してきた完全自動運転技術の商用化にはさらに時間を要すると予想され、テスラはその間、停滞していた普及型電気自動車市場で成長の原動力を確保しようとしていると解釈されている。
 
            


















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