
今月の6日、小鵬汽車(シャオペン・XPENG)のX字ロゴが輝く中国広州市本社の展示館に入ると、ヒューマノイドロボット「IRON」が記者に近づいてきた。身長173cm、体重65kgのロボットは、ヘッドセットを装着したまま英語で自己紹介を始めた。IRONは「こんにちは、XPENGのAI体験展示館へようこそ。私はAIロボットのIRONです。本日は皆様のツアーガイドとしてこの展示館をご案内します。」と述べた。
挨拶を終えたIRONは、XPENGが独自開発したAI半導体「図霊(チューリング)」をはじめ、開発中のフライングカーの特徴、ヒューマノイドロボットの変遷などについて丁寧に説明した。共に展示館を見学していた海外メディアの記者たちは、IRONの説明を聞きながら次々と感嘆の声を上げた。ロボットの形をしているという点を除けば、人間が行っていた役割をスムーズにこなす姿から、XPENGの何小鵬会長が予告した未来を垣間見ることができた。

何会長は前日、広州市本社で開催された「XPENG AI Day」のイベントで、来年ヒューマノイドロボットの大規模量産に着手し、XPENG施設内でツアーガイド、販売アシスタント、案内係などとしてまず活用する計画だと明らかにした。当初、ヒューマノイドロボットは人間に代わって工場作業などに投入される可能性が高いとの見方があったが、彼は中国の低い人件費を考慮すると工場での使用にはコストが高すぎると付け加えた。
XPENGは先月の20日、広州天河スマートシティに新しい本社を開設し、本格的な稼働を開始した。創立11年を迎えたXPENGの第4世代本社は、未来の知能型電気自動車競争における戦略的拠点の役割を果たすと同時に、フライングカー、ヒューマノイドロボットなど総合AI企業への飛躍の中核拠点になると見込まれている。総合展示館がXPENGの全般的な事業状況を示しているなら、フライングカー展示場は先端技術が現実になる未来像を余すところなく示していた。
これまで開発してきたプロトタイプモデルからT1・X1・X2まで、実際に空を飛んで試験飛行を行った電動垂直離着陸機(eVTOL)が時系列で展示されていた。来場者は体験型フライングカーに乗り込み、記念撮影に夢中だった。XPENGの関係者はフライングカー「陸地航母」が来年から広州工場で量産され、顧客に提供される予定だと強調した。事前注文台数は5,000台、現在の年間生産量は1万台に達する。陸地航母は地上走行が可能な6輪駆動4人乗り車両に、飛行可能な2人乗りeVTOLが結合されたトランスフォーマー構造のモデルである。

前日、何会長が次世代フライングカーとして発表した「A868」も一角に展示されていた。直線主翼に2つずつ、V字型尾翼に1つずつ、合計6つのプロペラが付いており、自動車よりも飛行機やヘリコプターに近い姿だった。離着陸時はプロペラが上向きになり、巡航飛行時は前方を向くティルトローター方式を採用していた。
その隣には、屋根にプロペラが付いたスポーツカー形状の車両が展示され、大きな注目を集めていた。XPENGの関係者は「一体型フライングカー」と名付けられたこのモデルについて「究極的にXPENGが目指すフライングカーの姿を表している」と述べた。普段は自動車として利用し、必要に応じて屋根が開いてプロペラが出現し、すぐに空を飛べる形態だ。XPENGは5年以内に開発を完了し商用化することを目標としている。
XPENGはこの日、新たに移転した本社をメディアに初公開し、自社の技術が着実に実現されていると自信を示した。今年10月までの電気自動車販売台数が190%も急増し、上半期の売上高も132.5%増加するなど、爆発的な成長の中で本社移転は避けられなかったという説明も行った。XPENGは電気自動車だけでなく、フライングカー、ヒューマノイドロボットなどの事業を網羅する「AI総合企業」への飛躍を予告している。














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