トランプリムジン、トランク開けたまま走行 警護当局「異常なし」
週末の日程を終えワシントン帰還中に起きた珍しい出来事

ドナルド・トランプ米大統領が9日(現地時間)、フロリダ州パームビーチ国際空港へ向かう途中に乗っていた専用リムジン「ザ・ビースト」のトランクが開いたまま走行する様子が撮影された。
米メディア「ハフポスト」は10日、「トランプ大統領が週末をマー・ア・ラゴのリゾートで過ごした後、メリーランド州で行われたアメリカンフットボール(NFL)の試合を観戦するため空港へ向かう途中、リムジンのトランクが開いた状態だった」と伝えた。
走行中にトランク開いたまま移動

大統領が乗る防弾リムジンのトランクが開いたまま走行する場面は、複数の報道カメラマンによって確認された。
記者が撮影した写真には、トランクが開いた状態のリムジンが、大統領専用機「エアフォース・ワン」が待機する滑走路へ向かう様子が収められている。
セキュリティに影響はなし
CNNのサマンサ・ウォルデンバーグ記者はXに、「トランクが開いていたことは車両の運行や装備、警備体制に一切影響を与えなかった」と投稿した。
シークレットサービスの報道官アンソニー・グリエルミ氏も「車列は問題なく移動を続けた」とコメントしたという。
内部の積載物は非公表

シークレットサービスは、トランクが開いていた原因や内部に積まれていた物品については明らかにしていない。
同メディアによると、「安全保障上の理由から、車両の構造や装備の詳細は公表されなかった」という。
自動車専門誌「オートウィーク」は以前、大統領専用車のトランク内には非常用酸素供給装置や追加武器、大統領の血液型に合わせた血液パックが保管されていると紹介しているが、現行車両に同様の装備があるかは確認されていない。
停車せず走行を続けた可能性

大統領専用車は移動中、常にシークレットサービスの通信・監視システム下にあるため、警護チームがトランクの開放を把握していなかった可能性は低いとみられる。
一部では「車両の安全が確保されている状況で不必要に停車するほうが危険」との判断から、警護チームが目的地まで走行を続けたのではないかとの見方も出ている。
また、高重量の防弾構造を持つ「ザ・ビースト」の特性上、ヒンジの一時的な不具合や自動ロック機構の誤作動など、機械的要因で完全に閉まらなかった可能性も指摘されている。
シークレットサービスが「運行や警備に影響はなかった」と説明していることから、システム上の故障や外部からの脅威があった形跡は確認されていない。
「動く要塞」ザ・ビースト
「ザ・ビースト」はゼネラルモーターズ製の装甲キャデラックで、重量は約8トン。高強度の防弾設計を備え、爆発や化学攻撃にも耐えられるよう作られていることから、「動く要塞」とも呼ばれている。
セキュリティ管理が極めて厳重なこの車両が、トランクを開けたまま走行した姿が公開されるのは極めて異例なことである。















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