法廷で震えながら「とてもつらい」
証拠隠滅の恐れなしと判断し、早期釈放
来年3月予定の控訴審に備える見通し

リビアからの不正資金調達を共謀した容疑で、フランス歴代大統領として初めて刑務所に収監されたニコラ・サルコジ元大統領(70)が、収監から20日で釈放されたことが明らかになった。彼は釈放前の法廷審査で「70歳で刑務所で暮らすことになるとは思わなかった。悪夢のようだった」と訴えたという。
日刊「ル・モンド」は、パリ控訴裁判所は10日(現地時間)午前、サルコジを尋問した上で「証拠隠滅や逃亡、証人への圧力、共謀の恐れはない」と判断し、釈放を許可したと報じた。これによりサルコジは同日午後、パリ14区のサンテ刑務所を後にし、16区の自宅へ戻った。
サルコジは、リビアの独裁者ムアンマル・アル=カッザーフィーから不正資金を受け取ったとして、去る9月25日にパリ刑事裁判所から懲役5年の判決を受け、先月21日に刑務所に収監されたとされている。
裁判所は釈放と同時に複数の制限措置を命じた。まず彼は、フランス国外への出国は禁止され、事件に関係した17人との接触も禁じられた。この中には、サルコジを政治におけるメンターと見なしているジェラルド・ダルマナン法務大臣も含まれる。ダルマナンは先ごろ刑務所を訪れサルコジと面会しており、「不適切な行為」と批判を受けていた。
「ル・モンド」はこうした釈放条件について「前例のない措置だ」と指摘した。サルコジは今後、刑務所外で来年3月に予定されている控訴審の準備を進めるとみられる。
サルコジは収監中、刑務所で提供される食事を拒み、自炊もできなかったため、ヨーグルトだけを食べて過ごしていたという。釈放審問の際には、顔色が悪くこわばった表情で緊張から足を震わせていたと「ル・モンド」は伝えた。彼はこの場で「70歳で刑務所に入ることになるとは思わなかった。私に課されたこの試練は、つらく、あまりにもつらい」と語り「看守たちに敬意を表したい。彼らが思いやりをもって接してくれたため、この『悪夢』を耐え抜くことができた」と述べた。
彼の「悪夢」は、一部の受刑者が密かにスマートフォンで撮影したり、名前を呼んで脅したりすることでさらに悪化したという。実際、ある受刑者はTikTokライブ配信を行い「寄付金をもらえたら寝ているサルコジを起こしてみせる」と配信したとされている。















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