10年以上続いた「秋の新作発表」が転換点に
売上分散とマーケティング効率化を狙った戦略変更
Appleが来年からiPhoneの発売周期を年2回へ移行する方針を固め、10年以上続いた「秋の新作発表」が大きく変わる可能性が出てきた。
ブルームバーグのマーク・ガーマン氏は最新ニュースレター「Power On」で、Appleが2026年後半から新たな発売戦略を導入し、年1回の発表体制を年2回に切り替える計画を社内で決定したと伝えた。

年5〜6モデル体制へ移行か
報道によると、Appleは2026年秋に「iPhone 18 Pro」、「iPhone 18 Pro Max」、「折りたたみiPhone(仮称 iPhone Fold)」を投入し、約半年後の2027年春には「iPhone 18」と「iPhone 18e」を発表する見通しである。
まず高価格モデルを先行投入して購買意欲を高め、その後に普及モデルをずらして投入することで市場需要を段階的に取り込む狙いとされる。ガーマン氏は、こうしたパターンが今後も継続し、Appleは毎年5〜6モデルを展開するようになるとの見方を示した。
Appleは2011年のiPhone 4S以降、毎年9月に新機種を発表してきた。ブラックフライデーや年末商戦に合わせた戦略で、売上の季節性を強めてきた背景がある。
今回の転換には、売上の年間分散と開発・マーケティング部門の負担軽減という意図があるとみられる。ガーマン氏は「主要モデルを秋に一気に投入する方式は組織の負担が大きく、売上も特定の四半期に偏っていた」と指摘し、発売時期を分散することで売上の波を均しやすくなると述べた。
昨年、「Apple Intelligence」や新しいSiri機能の導入が相次いで遅れたことも、製品周期を見直す要因になったとされる。
「iPhone Air」続編は2027年に再登場へ
一方で、販売不振を理由に超薄型「iPhone Air」の後続モデルが延期されたという観測も出ていた。
しかしガーマン氏は、Airシリーズの次期モデルも新体制の中で検討が進んでおり、2027年春の発売を目指していると説明した。もともと次期Airは翌年に登場する計画ではなく、製品名を「iPhone 17 Air」ではなく単独ブランドの「Air」とした時点で、従来の年1回サイクルから切り離す意図があったという。
次世代Airの中核となるのは、バッテリー性能向上を目的とした2ナノメートル(nm)チップの採用で、折りたたみiPhoneの開発に向けた小型化や材料、バッテリー、内部構造の試験プラットフォームとしても位置づけられているという。













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