中国の有人宇宙船の帰還カプセルが宇宙ごみとみられる物体と衝突し、地球帰還に支障が出ていると、科学専門メディア『ライブ・サイエンス』が6日(現地時間)報じた。
中国有人宇宙プロジェクト弁公室(CMSA)は微博(ウェイボー)で、「5日に予定されていた宇宙飛行士の地球帰還が延期された」と発表した。

帰還が延期されたのは「神舟20号」の乗組員3人である。彼らは「神舟21号」乗組員との任務引き継ぎを終え、地球へ戻る計画だったが、帰還延期に伴い、3人の乗組員は天宮宇宙ステーションにとどまり、後続の指示を待っている。
CMSAは「帰還カプセルが小さな宇宙ごみと衝突した可能性がある」と説明し、「現在、ステーションに滞在する6人全員の健康と安全を確保するため、影響分析とリスク評価を進めている」と述べた。

損傷が指摘されている宇宙船は、4月に「神舟20号」乗組員を宇宙ステーションへ輸送した後、現在まで天宮にドッキングした状態である。
この宇宙船は、動力・推進モジュールや乗員区画、パラシュートを備えた帰還モジュールの3つで構成されている。このうちいずれかに安全面の問題があると判断された場合、宇宙飛行士を乗せずに地球へ帰還させる可能性が高い。
中国国家航天局(CNSA)の指針によれば、「神舟20号」の乗組員は「神舟21号」の帰還モジュールを使って帰還する方向で調整が進んでおり、代替となる帰還船も待機させる予定である。
中国の宇宙ステーションが宇宙ごみの影響を受けるのは今回が初めてではない。2023年には太陽光パネルが破片と衝突して一部停電が発生し、その後の船外活動で追加の防護シールドが設置された経緯がある。
専門家は、地球周回軌道を漂う宇宙ごみは、人工衛星や宇宙船の急増に伴い急速に増えていると指摘している。
巨大な破片との衝突を避けるため、宇宙ステーションは常に軌道修正を行う必要がある。また、こうした衝突が連鎖的に発生する「ケスラーシンドローム」に陥れば、地球低軌道全体が使用不能になる恐れがあるとの懸念も出ている。














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