
中国が日本に対し旅行自粛や水産物の輸入中止などの圧力を強めているが、レアアースの輸出制限カードは使用しないとブルームバーグが20日(現地時間)に報じた。
過去、中国は2010年に尖閣諸島の領有権争いの際、日本へのレアアース輸出を全面中止し、日本経済に大きな打撃を与えた経緯がある。
だが、元米国高官や中国専門家らは、中国が今回もレアアースの輸出中止措置を取れば、世界的なサプライチェーンの再編を加速させ、自ら孤立を招く結果になりかねないと指摘する。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の経済担当ディレクター、フィリップ・ラック氏はブルームバーグとのインタビューで、中国は「世界の製造ハブ」を目指す中で、自国を「信頼できない供給者」と見られることのコストを理解していると語った。15年前と比べ、中国は国際社会の評判をより重視するようになったということだ。
中国によるレアアースの武器化が、競争国のサプライチェーン自立化の取り組みを加速させる可能性も指摘されている。
米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー元副代表は、レアアースカードの使用は中国にとっても危険だと指摘した。他の貿易相手国が代替供給源開発の緊急性を認識し、対米協力を深める契機になりかねないと警告した。
特に、米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席が先月末の「釜山会談」でレアアースの輸出規制緩和で合意した状況下で、中国が日本に対し強硬措置を取るのは難しいとの見方が出ている。
コーネル大学の准教授であるアラン・カールソン氏(Allen R. Carlson)はブルームバーグに対し、他国は「中国が日本にそうするなら、なぜ我々にできないのか」と考えるようになると指摘した。中国の措置が国際社会の警戒心を高める可能性があると述べた。














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