
米ホワイトハウスが、2026会計年度の米国国防権限法(NDAA)最終案から、中国向けのAI半導体チップ輸出規制条項を削除しようとしていると報じられた。
Newsisによれば、米メディアのアクシオスは19日(現地時間)、事情に詳しい4人の関係者の話として、ホワイトハウスの主要当局者が、AIチップの対中輸出を制限する条項をNDAAから外すよう議員らに働きかけていると伝えたという。
問題となっているのは、いわゆる「 2026年国家人工知能アクセス・イノベーション保証法(GAIN Act)」と呼ばれる条項で、米企業が中国などに先んじて高性能AIチップを優先的に確保できるようにする内容が柱となっている。AI半導体の大手であるエヌビディアは、この法案に公然と反対してきた。
この法律は事実上、中国を念頭に置いたものとみられており、条項がNDAAから削除されればエヌビディアが直接恩恵を受けると予想される。エヌビディアの国別売上構成は、米国49.9%、中国28%、シンガポール18%などとされる。
報道によると、トランプ政権2期目で「AI・クリプト・ツァー」と呼ばれるデビッド・サックス氏が、条項削除の先頭に立っているという。アクシオスは、ホワイトハウス立法担当局(OLA)が彼の動きを後押ししていると伝えた。
ホワイトハウス当局者らは、スティーブ・スカルリス下院共和党院内総務ら主要議員に相次いで電話をかけ、GAIN AI法の阻止を働きかけているという。ホワイトハウスは報道について公式なコメントを出していない。
アクシオスはまた、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOが、中国向け輸出の必要性について強硬な立場を維持し、対中輸出は米企業にも利益になるとの趣旨で政権関係者を説得してきたと報じた。
一方で、アマゾンやマイクロソフトなど、AIチップ需要の大きい米企業はGAIN AI法を支持しているとされる。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、マイクロソフトは密かに上院に対し、法案支持の立場を伝えたという。
さらに、トランプ政権は、中国向け半導体輸出を許可する条件として、エヌビディアやAMDなどに対し、中国での売り上げの一部共有を求めていると伝えられている。

















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