
今年1月20日の就任式後に派手に発足したドナルド・トランプ米大統領が四面楚歌の状態に陥っている。コーヒーやオレンジジュースなどの輸入を依存していたブラジルに対し、経済界の懸念にもかかわらず自信満々で40%の関税を課したが、国内物価の動向が尋常でないと判断し、これを撤回した。さらに、民主党議員らに対しては「死刑に処すべきだ」と神経質な反応を示し、米国連邦裁判所はワシントンD.C.へのトランプ政権の州兵投入にブレーキをかけた。
現地時間20日、ホワイトハウスによると、この日トランプ大統領は「ブラジル政府に対する関税範囲の修正」と題する行政命令に署名した。これによると、コーヒー、オレンジジュース、牛肉などの品目に対する40%の関税を免除する内容が盛り込まれており、措置は13日から遡及適用される。
トランプ大統領は先週、食料品に課された10%の相互関税を撤廃した。最近の地方選挙で「生活費」が敗因として浮上したため、「関税が物価を刺激しない」という従来の主張を事実上覆し、関税を撤廃したのだ。ただし、これにはブラジルのジャイール・ボルソナーロ前大統領に対するブラジル政府の処遇を問題視して課した40%の関税は含まれていなかったものの、今回の措置ではそれも含まれることになった。ブラジルに40%の関税を課した際には「内政干渉」の論争も起きていた。
この日、トランプ大統領は軍の将兵に違法な命令を拒否するよう呼びかけた民主党議員らの動画メッセージに対し、「死刑で処罰できる反乱行為」だとして激しい言葉を投げかけた。軍や情報機関での勤務経験がある民主党議員6人がFacebookに後輩の軍人や情報機関要員向けに「違法な命令を拒否できる」という動画を投稿した。これに対しトランプ大統領はTruth Socialで「反逆者らの反乱行為だ。彼らを投獄すべきだろうか?」という書き込みを投稿した。さらに「これは最高レベルの反乱行為だ。裏切り者一人一人を逮捕して裁判にかけるべきだ。死刑で処罰できる反乱行為だ」と記した。
18日に発表されたロイター通信などの世論調査で、支持率が38%と就任後最低を記録するなど世論が悪化したため、神経質な反応を示しているという評価されている。トランプ大統領は19日にもジェローム・パウエル連邦準備制度(Fed)議長を解任したいと述べ、「彼は精神的な問題があるようだ」と公然に非難し、スコット・ベッセント財務長官に対しても「金利が高すぎる。早く解決しなければあなたも解雇する」と強調した。
20日、コロンビア特別区連邦地方裁判所もワシントンD.C.市政府が提起した仮処分申請を認容し、本案訴訟が進行する間、行政府がワシントンD.C.に州兵を配置したり配置を要請したりすることを禁止すると命じた。裁判所は、国防部が市政府の要請なしにワシントンD.C.州兵を非軍事的犯罪抑止任務に投入した決定が権限範囲外であり、他の州に所属する州兵に援助を要請してワシントンD.C.に投入する法的権限もないと指摘した。
トランプ大統領は最近、児童の性的搾取を犯したジェフリー・エプスタインの文書強制公開法案に関しても、共和党内での支配力を失いつつある様子を見せた。トランプ大統領は数ヶ月間に渡り公開に反対してきたが、共和党内の離反票が増えると予想されると、投票直前に共和党に賛成票を投じるよう公開メッセージを送った。法案は上下両院でほぼ全会一致で可決された。このほか、早ければ年内に出る見込みの大法院の国際緊急経済権限法(IEEPA)訴訟で敗訴した場合、トランプ大統領の「レームダック」兆候はさらに顕著になると見られている。













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