
ドナルド・トランプ大統領が新設を進めているホワイトハウスの宴会場をめぐり、自身が起用した設計者と規模に関して数週間にわたって意見が対立していたことが分かった。ワシントン・ポストが26日(現地時間)に報じた。
問題となっているのは、ホワイトハウスのイーストウィング(東館)を取り壊して新たに建設される大規模な宴会場である。計画では、延べ面積約5,400㎡の本館よりも大きな建物になる見通しで、規模拡大を望むトランプ大統領と、慎重姿勢を示す設計者ジェームズ・マクレリー2世の間で隔たりが生じているという。
マクレリー氏は、増築部分が本館を圧倒する規模になってはならないという建築界の「不文律」を挙げ、自制を求めたとされる。不動産開発業者出身で「大きさ」と「豪華さ」を重視するトランプ大統領の志向と、伝統的な建築原則を守ろうとする設計者の立場が正面から衝突した形だ。
報道によると、マクレリー氏は対立が公になることを避け、自身の意見を大統領に直接かつ非公開で伝えることに腐心してきたという。
当初、ホワイトハウス側は宴会場を約650人収容で建設し、工事費は2億ドル(約312億円)と見積もっていた。しかし最近になって、トランプ大統領は収容規模を1,000人近くに拡大し、費用も3億ドル(約467億円)規模になる可能性を示唆している。
それでもマクレリー氏は、途中でプロジェクトから離れれば、後任の建築家によって質の低い設計が採用されかねないと懸念し、引き続き関与する意向を示しているとされる。
マクレリー氏は、連邦最高裁判所の施設内書店や、議会議事堂内に設置されたロナルド・レーガン像などの設計を手がけたことで知られる。今回の宴会場建設は、同氏の建築事務所にとって過去最大規模のプロジェクトになるという。
また同氏は、トランプ政権1期目の2019年、首都の建築・都市計画について大統領と議会に助言する「米国美術委員会(U.S. Commission of Fine Arts)」の委員にも任命されていた。
ホワイトハウスは先月20日、イーストウィングの解体に着手し、宴会場建設を本格化させている。費用は数十の企業や個人からの寄付で賄う予定だと、トランプ大統領は明らかにした。
一方でワシントン・ポストは、この工事がホワイトハウスの233年の歴史の中でも外観における最大級の変化になる可能性があるにもかかわらず、計画はまだ公的な検証プロセスを経ておらず、建物の高さなど具体的な設計内容も十分に公開されていないと指摘している。
















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