復興市場への投資や対ロ関係に注目
交渉参加より長期的利益を重視
ドナルド・トランプ米大統領がロシア・ウクライナ戦争の終結仲介に向け動きを加速させる中、中国がなぜ前面に出ないのかについて、さまざまな分析が出ている。
香港紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』は27日、中国が交渉プロセスそのものよりも、戦後復興市場、米中ロ三角関係の再構築、戦争から得られる軍事的教訓といった長期的な戦略利益をより重視していると分析した。

上海社会科学院のロシア・中央アジア専門家、リー・リーファン氏は『SCMP』のインタビューで、「中国はどのような形の合意であっても受け入れ可能との姿勢を取っている」とした上で、「焦点は、戦後復興の過程で中国の利益がどれだけ反映されるかにある」と指摘した。さらに、大規模インフラ建設能力やロシアへの影響力、ウクライナ復興への投資余力などを中国のカードとして挙げ、「北京は参加の適切なタイミングを待っている」と述べた。
これに関連し『ロイター通信』は、中国の優先課題は景気回復に加え、トランプ大統領との合意を通じて新たな貿易戦争を回避することにあると報じた。中国は国際社会における「平和の仲介者」としてのイメージを望む一方で、巨額の費用負担や政治的リスクを伴う役割は避けようとしているとの見方が出ている。とりわけ、それがロシアとの関係を損なう可能性がある場合には、より慎重な姿勢を取るとみられる。中国がロシアの安価なエネルギーに大きく依存している点も、こうした判断の背景として挙げられている。
先月行われた米中首脳会談によって両国間の緊張が緩和されたことも、中国の姿勢に影響を与えているとみられる。トランプ氏の取引重視の外交スタイルと相まって、中国の交渉余地がかえって広がる可能性もあるとの観測が出ている。
一方で、中国人民大学のシー・インホン教授は、「ウクライナと欧州は、中国がロシアと過度に接近していることを理由に、中国の戦後関与を受け入れないだろう」とし、「ロシアは中国に依存しているものの、中国が政治的功績を誇示することを許容する可能性も小さい」と指摘した。















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