
ウラジーミル・プーチン露大統領が「世界最強のミサイル」と豪語してきた第5世代大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」が、試験発射の最中に爆発したとみられている。
12月1日(現地時間)、英「デイリー・テレグラフ」など複数の海外メディアは、サルマトと推定されるミサイルが先月末、ロシア南部オレンブルク州ヤースヌイ発射場で試験発射されたものの、離陸から数秒で地面に墜落したと伝えた。

SNSで拡散された映像でも、発射直後にミサイルが上昇しながら制御を失い、空中で炎を上げて落下・爆発する様子が確認できる。ロシア当局は試験発射したミサイルの種類を明かしていないものの、各国メディアは相次いでサルマトを名指ししている。

NATOが「サタン2」のコードネームで呼ぶ次世代ICBMサルマトは、10〜15発の核弾頭を同時搭載でき、威力は広島に投下された原爆の約2,000倍に達するとされる。射程は約1万8,000キロで、米ニューヨークやワシントンD.C.を含む米本土を直接射程に収める。ロシアのヴャチェスラフ・ボロージン下院議長が「欧州議会(仏・ストラスブール)なら4分以内に攻撃できる」と豪語したこともある。
しかしサルマトの実用化には度重なる障害が続いている。当初は2018年の配備を目指していたものの、少なくとも5回にわたり試験発射が失敗し、昨年9月にも、アルハンゲリスク州プレセツク宇宙基地での試験で爆発し、直径60メートルを超えるクレーターが残ったとされる。

それでもプーチン大統領は開発への自信を崩していない。先月4日、クレムリンで開かれた核推進巡航ミサイル「ブーレベスニク」や核推進水中ドローン「ポセイドン」などの開発関係者の表彰式に出席した際、プーチン大統領は「サルマトは年内に試験配備と運用段階に入り、来年には正式な戦闘配備を開始する」と強調した。













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