
米国がロシア側と水面下で用意した28項目の「平和交渉案」には、ウクライナがまだ戦場で失っていない東部地域の領土を「先制的」に譲渡する案が含まれている。Newsisの報道によると、ウクライナと欧州諸国は「事実上の降伏」としてこれを拒否しているという。この案を巡り、ロシア、米国、欧州、ウクライナが議論を続けている。
こうした中、米国のドナルド・トランプ大統領がなぜウクライナ東部地域の領土をロシアに譲渡して戦争を終結させようとしているのかを明確に示すインタビューが9日に公開された。トランプ大統領はこの日、政治メディア「ポリティコ」とのインタビューで「ロシアが戦争で優位に立っているため、ウクライナは平和提案を受け入れるべきだ」と述べた。
トランプ大統領は戦争解決における自身と欧州のアプローチが対照的だとし、欧州はウクライナが崩壊するまで戦わせ続けるつもりだと批判した。また「欧州の指導者たちはウクライナを適切に支援できなかった本当に愚かな連中だ」と語り、「ロシアが優位に立っており、常にそうだった。ロシアははるかに大きく、はるかに強い」と述べた。
さらに、トランプ大統領は「ウクライナ国民と軍の勇敢さと戦闘力、そしてそのすべてに対して大きな称賛を送る」としながらも「しかし、ある時点からは規模が勝利を決定する」と述べた。彼は「ロシアは巨大な規模だ。数字を見れば本当に途方もない数字だ」と述べた。ロシアとウクライナは規模と数で大きな差があるため、戦争で敗北は避けられず、より大きな被害が発生する前に平和交渉に応じるべきだという主張だ。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が提案を拒否した場合についての質問には「彼は積極的に状況を受け入れるべきだ。彼は負けているのだから」と答えた。英テレグラフは、トランプ大統領のこうした発言はウクライナと欧州の当局者たちが米国への支持を主張するのが難しいことを示していると分析した。
トランプ大統領のインタビューが公開される前日の8日、英国のキア・スターマー首相、ゼレンスキー大統領、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相らがロンドンで会談し、戦争終結の方策について協議した。
ゼレンスキー大統領はロンドンでの会談後、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長らと会談するため移動する機内で記者団に「ロシアに領土を譲ることはない」と明言した。トランプ大統領は欧州の指導者たちが正しいことをしていると思うかという質問に「彼らが正しいことをしているはずがない。何が起こったのか見てみろ」と付け加えた。













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