新国家安全保障戦略を説明
中国けん制へ集団防衛の拡大を要求

米国防総省のエルブリッジ・コルビー国防次官が、インド太平洋地域の安定を維持するため、アジアの同盟国がこれまで以上に自国防衛に力を入れる必要があると強調した。
コルビー次官は8日(現地時間)、自身の「X」で、5日に発表されたトランプ政権の新たな国家安全保障戦略(NSS)に言及。「インド太平洋の安定を確保するには、アジアの同盟国が自国防衛への努力を大幅に拡大することが不可欠だ」と述べた。
NSSのアジア関連部分では、沖縄ー台湾ーフィリピンーマラッカ海峡を結ぶ「第一列島線」全域で侵攻を抑止できる戦力を構築する方針が示されている。しかし米国が単独で担うべきではなく「同盟国は国防費を増やし、さらに重要なのは集団防衛のためにより大きな役割を果たすことだ」との考えが明記されているという。
韓国については、台湾有事にアメリカの戦力が集中する一方、韓国はこれまで以上に対北朝鮮抑止に注力する必要があるとの含みがあるとみられる。また長期的には、中国を念頭に置いた集団防衛への一層の貢献も求める姿勢が読み取れる。
コルビー次官は、NSSが「中国による台湾侵攻の抑止を最優先課題と位置づけた」と説明し、これはトランプ大統領によるインド太平洋政策の「アメリカ・ファースト」路線の表れだと指摘した。
さらにトランプ政権が掲げる国防費の国際基準について、NATO加盟国にGDP比5%の国防費支出を求めた例を挙げ「すでに複数の国が新たな基準を満たすため動き始めており、直近では韓国がその一例だ」と述べた。
また同日、米政権はバイデン前政権期に開始された豪州との原子力潜水艦協力を継続する方針を正式に確認。米豪外務・防衛閣僚会合で、マルコ・ルビオ国務長官が「大統領の指示に基づき、AUKUS(米・豪・英の安全保障枠組み)は全力で推進されている」と語った。
AUKUS協定では、米国が2030年代初めから最新鋭の攻撃型原潜「バージニア級」を最大5隻、豪州に売却することが定められている。トランプ政権はこれまで同計画を再検討してきたが、協力継続を明確にした形だ。
米国は10月の米韓首脳会談でも、韓国の原子力潜水艦建造を承認し、燃料調達などで協力する方針を示している。














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