軍事拠点に続き民間施設も相次ぎ建設
ベトナム「中国の違法建設は厚顔無恥」

中国、ベトナム、台湾が領有権を主張する南シナ海のパラセル諸島(ベトナム名:ホアンサ群島、中国名:西沙群島)に位置するウッディー島で25日、大型ショッピングセンター「三沙市商業区」が開業した。中国、ベトナム、台湾が領有権を主張する代表的な係争地域で、中国が施設建設を強行した。中国側は「新たな生活のランドマーク」と強調する一方、ベトナムのメディアは「中国による違法建設だ」「厚顔無恥だ」と強く反発している。
中国国営メディアのCGTNは26日「中国最南端の都市発展における新たな章を開いた」として、商業区の開業の様子を報じた。延べ床面積は約6,000平方メートル(約1,815坪)で、三沙市初となるハンバーガー店のほか、約3,000品目を扱うスーパーマーケット、書店、美容室などが入居している。ウッディー島に大規模な商業施設が設けられるのは初めてだという。ショッピングモールの広報担当者はCGTNに対し「島の居住者が高品質なライフスタイルを楽しむことができる」と述べた。
三沙市はパラセル諸島、スプラトリー諸島(中国名:南沙群島)など3つの諸島と周辺海域を管轄する行政区で、中国が2012年7月に海南省の下に新設した。1974年の南ベトナムと中国の海戦以降、中国が実効支配しているが国際的には依然として係争地域とされている。陸地面積は約13平方キロメートルと中国で最も小さな県級行政区だが、海域を含む管轄面積は約200万平方キロメートルに及び、中国本土面積の約5分の1に相当する。2024年末時点の常住人口は約2,200人とされる。
行政区発足当時、海南省の党書記は「南シナ海の主権を守る拠点にする」と表明した。中国は同区域に軍事関連施設に加え、政府庁舎、学校、病院、銀行などの民間施設を次々と建設してきた。オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が2016年、中国の南シナ海における権利主張について「法的根拠はない」と判断して以降も、行政サービスセンターを設けて居住証を発行し、民軍両用空港の建設や、兵士向けの売店・食堂に続き民間向け商業施設の整備を進めている。2023年には火鍋専門店、2024年には建材店がウッディー島で開業し「中国のモルディブ」として観光商品の宣伝も活発化している。

中国のこうした動きについては、行政、治安、経済活動、民間居住を組み合わせることで、係争の事実そのものを国際社会から薄め、実質的に「人が住む中国の都市」として定着させる狙いがあるとの見方が出ている。商業施設の整備により、居住者の家族帯同による長期滞在も可能になり、単なる軍事拠点ではなく実効支配を強める戦略だと受け止められている。
南シナ海は東南アジア諸国が関与する主要な係争地域であり、中国が施設を建設するたびに反発が起きてきた。読売新聞は今回の商業施設開業について「中国が自国領土化を既成事実化しようとしている」と指摘し「ベトナムなど周辺国が反発するのは当然だ」と報じている。
















コメント0