親米国の世論に変化
抗議グッズが話題
デンマーク人の米国旅行需要も減少

「米国を追い出せ(MAGA・Make America Go Away)!」
21日(現地時間)、デンマークの首都コペンハーゲンではこうした言葉に象徴される反発の空気が広がっていた。デンマーク自治領グリーンランドを巡るドナルド・トランプ米大統領の発言に対する不満が街頭や市民の声として表れている。
トランプ大統領は同日、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)の演説で「グリーンランドを得るために武力を用いることはない」と一歩引いた姿勢を見せたが、市民たちは「結局は取得を目指しているのだろう」と冷ややかな反応を示した。
トランプ大統領の選挙スローガン「MAGA(Make America Great Again)」を皮肉った「デンマーク版MAGA」は今月17日にコペンハーゲンで行われた反トランプ集会で注目を集めた。参加者の多くが「米国を追い出せ」と書かれた赤い帽子を着用していた。

この帽子を製作したのはコペンハーゲン中心部で古着店を営むイェスパー・ラベ・トンネセン氏(58)だ。昨年8月、トランプ大統領のグリーンランドへの関心が強まっていると感じ、試験的に製作した際はほとんど売れなかったが、今月に入り米国がグリーンランド取得を視野に入れた姿勢を明確にした後、販売数が急増したという。グリーンランド首都ヌークでこの帽子の着用者が映像で紹介されたことも関心を高めたとされる。
帽子を買うために海外からも

店には「MAGA」以外にも「Nu det NUUK(もう十分だ)」と書かれた帽子も並ぶ。デンマーク語の表現を首都ヌークの地名とかけたものだ。店側によると、英国やオーストリア、オランダ、カナダなど国外からも問い合わせが相次ぎ、米国からの連絡も少なくないという。
こうした動きは、親米的とされてきたデンマーク社会で対米感情に変化が生じていることを示す一例と受け止められている。コペンハーゲン市内で話を聞いた20代の会社員は「グリーンランドはデンマークの一部だ」とし「拒否の意思を示しても意に介さないように見える」と語った。
米国旅行需要、デンマークで大幅減少

デンマークは1949年の北大西洋条約機構(NATO)創設時からの加盟国で、米国と長年にわたり緊密な関係を築いてきた。2003年のイラク戦争でも、フランスやドイツとは異なり米国を支持した経緯がある。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは2001年の同時多発テロ以降、デンマークは欧州で最も親米的な国の一つだったと伝えている。
しかし、トランプ大統領が再び政権に復帰した後のグリーンランドを巡る発言は、こうした認識を揺さぶった。昨年3月にデンマーク紙が行った世論調査では回答者の約4割が「米国を自国にとって脅威と感じる」と答えたという。
観光分野にも影響が出ている。デンマーク旅行業界団体によると、昨年1月以降、デンマークから米国への旅行予約は約50%減少したという。担当者は「これほど急激な落ち込みは他国では見られない」と指摘している。
退役軍人からも不満

米国主導のアフガニスタン戦争やイラク戦争に参加したデンマークの退役軍人の間からも、失望の声が上がっている。デンマークは12年間で約9,500人をアフガニスタンに派遣し、43人が戦死した。人口比での犠牲は大きかったとされる。
15年前にアフガニスタンに派遣された男性はAP通信に対し「9・11同時多発テロ以降、米国が必要とした時に我々は現地にいた」と振り返り「その同盟国の領土の一部を奪おうとする姿勢は裏切り行為だ」と語った。
コペンハーゲンで取材に応じた50代の男性も「一人の指導者の言動によって、米国への見方が変わりつつある」とし「困惑を通り越して裏切られたと感じている人も多い」と話した。そして「同盟国であるはずの米国から脅威を感じるとは想像していなかった」と述べ、トランプ大統領が「武力行使はしない」と強調した後も「緊張は解けていない」との見方を示した。
コペンハーゲンから約5時間の飛行で到着するグリーンランドの首都ヌークでも警戒感は根強いとされる。ラース・ロッケ・ラスムセン外相はトランプ大統領の発言を受け「グリーンランドに対する関心が依然として強いことが改めて示された」と述べた。
















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