
ウクライナ侵攻を続けるロシア軍が、昨年12月に戦場で極めて大きな損失を被ったとの推計が示された。
北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は、スイスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)のパネル討論でNATO内部資料を引用し「昨年12月、ロシア軍は1日あたり最大で約1,000人の兵士を失った」と述べた。
ルッテ事務総長は、これが負傷者ではなく死亡者数を指すとし「ロシア軍は1か月で3万人超の兵士を失った計算になる。これは旧ソ連がアフガニスタン戦争で失った戦死者数(約2万人)を上回る水準だ」と説明した。

これに先立ち英国国防省は、2025年のロシア軍の死傷者数は2024年の約43万人を下回る見通しを示している。2022年2月24日の侵攻開始以降のロシア軍の累計死傷者数は約121万3,000人に達するとの推計もある。
また、ロシア軍の1日平均の死亡者数は直近で約1,100人規模に増加し、数か月連続で上昇しているとも指摘された。
「ウクライナの電力供給は需要の約6割」
ルッテ事務総長はロシアがこうした損失にもかかわらず、大規模な攻勢作戦を継続している点に言及した。ロシア軍のミサイルやドローン攻撃により、厳寒期にエネルギー関連インフラが損傷を受けているウクライナの状況に強い懸念を示した。
「現在ウクライナの気温が氷点下20度まで下がる中、ウクライナの電力システムは全国需要の約60%しか賄えていない」と述べ「ウクライナはより多くの防空用迎撃ミサイルや西側諸国の兵器支援が喫緊に必要だ」と強調した。
一方で、欧州側の兵器備蓄が限られていることも認めた。欧州連合(EU)欧州委員会が準備を進める約900億ユーロ(約16兆7,642億8,589万4,993円)規模の追加資金については早くても今春以降の拠出になる見通しだとした。
ダボスでトランプ大統領とゼレンスキー大統領が会談
ウォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領は世界経済フォーラム(ダボス会議)に合わせてドナルド・トランプ米大統領と会談し、終戦案を巡り意見を交わした。
22日、トランプ大統領とゼレンスキー大統領は約1時間にわたり協議し、防空体制など従来の争点に加え、実務的な交渉の進め方についても幅広く話し合ったとされる。

会談後、双方は前向きな評価を示した。トランプ大統領は「今後の展開を見守る」とし、ロシアに対し「戦争を終わらせる必要がある」と語った。
ゼレンスキー大統領も「会談は前向きで、戦争終結に向けた文書の準備が進んでいる」とし「双方のチームがほぼ毎日、紛争終結のために努力している」と述べた。
両国はロシアを含めた当局者レベルの3者協議を継続する方針で一致した。
ゼレンスキー大統領は「23日からアラブ首長国連邦(UAE)で米国、ロシア、ウクライナの当局者が終戦案の協議を続ける」と明らかにした。
また、スティーブ・ウィトコフ米大統領特使も同日、ロシアでウラジーミル・プーチン・ロシア大統領と終戦案を協議する予定だという。














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