
富の象徴とされてきた専用機や別荘が、日本では「共同所有」という形の商品として再編されつつある。単独で所有するのではなく、コストパフォーマンスや運用効率、希少性を重視する消費スタイルが、超富裕層の新たな選択肢として台頭している。
こうした変化は、まず専用機市場で顕著に表れている。総合商社の双日は、2027年の運航開始を目指し、大型ビジネスジェットの共同保有を仲介する事業に参入した。対象機種には、カナダのボンバルディア社製「グローバル8000」や「グローバル6500」などの最新鋭機が含まれる。
大型ビジネスジェットの持ち分6分の1を保有するのに必要な費用は、約1,100万ドル(約17億円)からとなる。整備費や飛行にかかる費用は別途必要だが、専用機を単独で所有する場合と比べると、負担は大幅に抑えられる。双日によると、会社名義で保有するビジネスジェットを、年末年始や夏休みなどの繁忙期に追加費用を支払って私的に利用する20~30代の経営者も増えているという。
一方、別荘分野でも共同所有の動きが広がっている。新興企業のNOT A HOTELは、栃木、群馬、沖縄など全国9カ所で計36棟の別荘を開発し、共同所有方式で販売している。年間10泊から利用できる持ち分構造が特徴だ。完成済み物件の中で最高価格となるのは沖縄・石垣島の別荘で、年間30泊分の持ち分価格は約3億8,900万円に上る。同社によれば、現在のオーナーは約1,000人に達し、その大半が金融資産1億円以上を保有しているという。
こうした動きは、日本の超富裕層における消費の基準が変化していることを示している。野村総合研究所は、夫婦ともに大企業に勤務する共働き世帯が、50~60代で金融資産1億円以上に達するケースが増えていると分析している。従来の資産家に加え、高所得の専門職や大企業の役員層が新たに超富裕層に加わり、所有を誇示するよりも、管理のしやすさや運用効率を重視する消費志向が広がっているという。













コメント0