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「合意せよ、さもなくば攻撃だ」…空母接近と“首斬り作戦”を示唆したトランプの最後通告

竹内智子 アクセス  

トランプ大統領、空母派遣でイランに「非現実的な3条件」提示

米原子力空母エイブラハム・リンカーン(CVN72)がイランを直接攻撃できる距離まで接近する中、ドナルド・トランプ米大統領は28日、一連の要求に同意しなければ「迅速かつ暴力的な攻撃」を行う可能性があると明らかにした。その攻撃には、ベネズエラの実権者であるニコラス・マドゥロ氏を急襲・拘束した作戦のように、イラン最高指導者や精鋭革命防衛隊の首脳部を標的とする「首斬り(decapitation)作戦」が含まれる可能性があることも示唆した。

トランプ大統領は同日、SNSトゥルース・ソーシャルに「巨大な艦隊(massive Armada)が圧倒的な力と情熱、明確な目的を持ってイランへ急速に向かっている」と投稿し「ベネズエラの時と同様に、必要であれば迅速かつ暴力的に任務を遂行する準備ができており、その意思と能力も備えている」と述べた。さらに、仮に攻撃が実施されれば、昨年6月22日の『ミッドナイト・ハンマー作戦』でB-2爆撃機がフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンなどイランの核施設3カ所を破壊した時をはるかに上回る規模になると警告した。トランプ大統領は「時間はほとんど残されていない。本当に時間が鍵だ。以前にもイランに言ったように、合意せよ(MAKE A DEAL)!」と書き込んだ。

トランプ大統領は具体的な要求内容は明示しなかったが、ニューヨーク・タイムズは、先週まで行われていたイランとの非公式な間接交渉で米側が「ウラン濃縮計画の永久的かかつ全面的な廃止と備蓄分の廃棄」「弾道ミサイルの射程と数量の制限」「ハマス、ヒズボラ、フーシ派など中東におけるイランの代理勢力への支援停止」の3点を要求していたと米国と欧州の当局者の話として報じた。

一方で、28日のトランプ大統領のSNS投稿や先週の協議では、多数の犠牲者が出ているイランの抗議デモ参加者の保護については言及されなかった。トランプ大統領は13日にもトゥルース・ソーシャルで「イランの愛国的市民よ、抵抗を続けよ。政府機関を掌握せよ。支援は向かっている」と投稿している。イラン政府はデモによる死者数を3,117人としているが、人権団体は3,400人から6,200人に上ると推計している。

ニューヨーク・タイムズは米側の第1の要求であるウラン濃縮計画の永久廃止と備蓄分の廃棄について、イランが小規模な秘密施設でも濃縮を続けることが可能であり、外部機関による監視が極めて困難になると指摘した。これはまた「ミッドナイト・ハンマー作戦」によりイランの核計画は「完全に破壊された」とする当時のトランプ大統領の主張とは異なり「著しく弱体化した」(米国家安全保障戦略報告書の結論)にとどまったことを示す傍証でもあるという。

弾道ミサイルの射程と数量の制限は、イランがイスラエル領土を攻撃する能力を事実上封じる狙いがある。イランがこれらのミサイルを失えば、イスラエルの再攻撃を抑止する手段を欠くことになる。一方で、最後の条件である中東の代理勢力への支援停止については、深刻な経済状況と通貨価値の下落を考慮すると、イランが最も受け入れやすい可能性があるとニューヨーク・タイムズは分析している。

アッバス・アラグチ外相は先週、第3国を通じてトランプ大統領の特使スティーブ・ウィトコフ氏と間接協議を行い、約800人の抗議参加者を即決処刑しないとの約束を伝えたという。

エイブラハム・リンカーン空母、ベネズエラ作戦に投入された装備を完備

米中央軍は27日、Xで「エイブラハム・リンカーン空母打撃群が中東地域に展開し、地域の安全と安定を強化している」と明らかにした。

エイブラハム・リンカーンはF-35ライトニングII戦闘機、F/A-18スーパーホーネット戦闘機といった主力戦闘機のほか、EA-18Gグラウラー電子戦機、E-2Dホークアイ早期警戒管制機など、マドゥロ拘束作戦に投入された機種をすべて搭載している。最大速力は35ノット(時速約65km)で乗員約5,600人を収容できるという。

引用:米海軍
引用:米海軍

しかし、マルコ・ルビオ米国務長官は28日の議会質疑で米空母の配備は主として中東に展開する最大4万人の米軍を防衛するためのものであると説明した。ルビオ長官は、中東地域に駐留する3万人から4万人の米軍全員が「数千機のイランの自爆型無人機(UAV)と短距離弾道ミサイルの射程圏内にある」と述べた。

また、イランの政権交代の可能性については「イランで何が起きるかを簡単に言い当てられる人はいない。仮に最高指導者と体制が崩壊した場合、ある程度協力可能な人物が現れ、同様の転換を導くことを期待することはできるかもしれないが、現在説明している体制よりはるかに複雑な状況になるだろう」と語った。

一方、イランのアラグチ外相は21日、テヘランで「軍事的脅威では外交の成果は得られない。交渉を望むなら脅威と、過度で非現実的な要求をまず撤回すべきだ」と述べた。アラグチ外相は同日夜にXで、イランは「あらゆる軍事行動に対応できるよう引き金に指をかけている」とし、昨年6月の12日間戦争の時よりも「より強力で、より迅速かつ、より深層的な対応」を行うと表明した。また「核兵器は決して保有しないが、平和的核技術を利用する権利は保障される『公正で均衡の取れた核合意』であれば受け入れる用意がある」との従来の立場を改めて示した。

アラグチ外相は1週間前にも、米国・イラン間の戦争が中東全体にもたらす不安定化を警告し「全面衝突は混乱と残虐さを伴い、イスラエルとその代理勢力がホワイトハウスに吹き込んでいる幻想的な日程表より、はるかに長期化するだろう」と述べていた。

引用:SNS「X」
引用:SNS「X」

国際連合駐在イラン代表部も21日、トランプ大統領のSNS投稿に対し「米国はアフガニスタン戦争とイラク戦争で誤った道に踏み込み、7兆ドル(約1,070兆円)以上を浪費し、7,000人以上の米国人が命を落とした」とする声明を発表した。

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