中国で、新年早々「ポケットモンスター」を巡る反発が広がっている。靖国神社で子ども向けの体験イベントが予定されていたことが拡散し、歴史問題と結び付けた批判が再燃した。中国のSNSでは「軍国主義の美化だ」といった声が相次ぎ、閲覧数が数千万規模に達したという。
「また靖国か」 ポケモンに反発する中国世論

現地メディアによると、発端はあるネットユーザーが中国のSNS「Weibo」に投稿したスクリーンショットだった。ポケモンの公式サイトを写した画像には、31日に靖国神社で子ども向けのポケモンカード体験イベントが開かれる予定だと記されていた。
投稿は急速に広がり、Weiboでは「#ポケモン靖国神社」といった趣旨のハッシュタグが約2,000万回に迫る閲覧数を記録したとされる。反応欄には「歴史的事実を無視している」「軍国主義を美化しようとしている」など、強い反発が並んだ。騒動が拡大すると、サイト側はイベント関連の告知を削除したものの、別途の説明は示していない。
批判が膨らんだ背景には、ポケモンが靖国神社を巡って物議を醸したのは今回が初めてではない、という受け止めもある。2019年には、主要開発会社「クリーチャーズ」の幹部が靖国神社参拝を示す写真を投稿し、騒動となった。当時は中国だけでなく韓国でも不買の動きが取り沙汰され、同社は約2週間後に謝罪文を公表して火消しに追われた。
日中関係は出口が見えず 「年末に糸口」指摘も

今回の騒動は、日中関係が台湾問題をきっかけに緊張を強めているさなかに起きた点でも注目される。高市早苗首相は昨年11月、台湾有事に関して自衛隊の関与を示唆する発言を行い、中国の強い反発を招いた。発言の撤回がないまま、対立は次第に広がった。
中国は、旅行・留学の自粛呼びかけや国内での日本映画上映の制限など、人・文化面の交流を絞る動きを見せた。さらに、水産物の輸入再開を取りやめたとする報道や、いわゆる「デュアルユース(軍民両用)」物資の輸出規制を強める動きなど、経済面のカードも切ってきたという。最近では、国内に残っていた最後のパンダ2頭が中国へ戻され、「ゼロパンダ」状態となった。国交正常化(1972年)以降で初めてだという指摘も出ている。
加えて、昨年は中国国内で反日感情が高まりやすい土壌も重なった。9月に第2次世界大戦終結80年に合わせた記念行事が行われ、反日史観を前面に出す雰囲気が強まったとされる。前後して、南京事件を扱った作品や、旧日本軍の731部隊を題材にしたとされる映画など、愛国色の強いコンテンツが相次いだことで、世論の温度がさらに上がったとの見方もある。
こうした中で高市首相は最近も、台湾有事の際には邦人や米国人の救出に動く必要があるといった趣旨の発言を行い、再び中国側を刺激した。近く行われる衆議院選挙を前に、保守層の結束を狙ったとの分析が出ている。
日中の首脳・閣僚級の往来が当面見通しにくいとの指摘もあり、関係改善の節目として、11月に予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で日中首脳会談が実現するかどうかが焦点になる、という見立ても伝えられている。
















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