
「世界最大の原油埋蔵国」とされるベネズエラが約20年間続けてきた石油国有化政策を正式に廃止した。ベネズエラの原油資源を直接掌握する姿勢を示してきたドナルド・トランプ米大統領の「エネルギー覇権主義」を後押しする形になるとの見方も出ている。
ベネズエラ国会は29日(現地時間)、デルシ・ロドリゲス臨時大統領政権が提出した炭化水素法改正案を可決した。改正案によると、ベネズエラ国内に本社を置く民間企業はベネズエラ国営石油会社(PDVSA)と一定の契約を結ぶことで、石油・ガスの探査、掘削、採取、輸送、貯蔵、加工、精製、商業化といった事業に従事できるようになる。
石油・ガス探査などの過程で紛争が生じた場合、ベネズエラ管轄内の国際仲裁機関や紛争解決メカニズムを通じて解決できるとする条項も盛り込まれた。従来はベネズエラ国内の裁判所のみが紛争調整を担っていた。
今回の改正はウゴ・チャベス前政権(1999年から2013年)下で進められた、外資企業資産の接収やPDVSA持ち分比率の強制引き上げなど、ベネズエラの石油国有化政策を約20年ぶりに転換するものとなる。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「国有化政策は約30年にわたりベネズエラを支配してきたチャベス主義政権の中核だった」と指摘し「今回の改正は外国企業に生産事業の明確な運営権限を与え、事実上PDVSAを補助的な立場に追いやる内容だ」と報じた。
法案が発効すれば、外国企業や現地企業は新たな契約を通じて油田を独自に運営し、生産物を商業化できるようになるほか、国営石油会社の少数株主として参画する場合でも販売収益を受け取れる見通しだ。AP通信はロイヤリティの上限が30%に設定されたと伝えている。法案はロドリゲス臨時大統領の署名を残すのみで、近く公布される見込みだという。
チャベス前大統領からニコラス・マドゥロ大統領に至るまで、国家経済の中核として国有化・強力統制が進められてきた石油産業は、原油価格の急落や米国による厳しい制裁を受け、2010年代以降はかえって経済停滞を招く要因となってきた。今回の改正が直ちに巨大石油企業の積極投資につながるかは不透明だが、深刻な打撃を受けたベネズエラ経済に一定の活力をもたらす可能性があるとNYTは指摘している。
ベネズエラの石油部門が開放されれば、国際原油市場の主導権が一部、米国側に傾くとの見方も出ている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領がベネズエラ産原油を大量に確保し、原油価格を1バレル50ドル(約7,689円)前後に抑える構想を側近に示していたと報じた。クリス・ライト米エネルギー長官も今月11日、CBSテレビの番組でベネズエラ石油産業への米国の関与を通じて「生産量を拡大する」と明らかにした。
米国は今回の法案可決を受け、ベネズエラの石油産業に対する制裁を即座に緩和したことも明らかになった。米財務省外国資産管理局(OFAC)は一般ライセンス46号として「ベネズエラ産原油に関する特定活動の許可」を発表し、ベネズエラ政府やPDVSAに関連する原油の精製、輸出、供給などの取引を認めた。
ただし、北朝鮮、ロシア、イラン、キューバに関わるすべての取引は除外される。また、中国に所在する法人や個人が直接・間接的に所有・管理、あるいは合弁で関与する取引も制限対象とすることが明記された。
















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