
中国が自国の企業関係者に対し、日本訪問を控えるよう求める事実上の「訪日自粛指針」を出したと伝えられている。高市早苗首相が率いる自民党が衆議院総選挙で圧勝する直前に示された措置だという。習近平指導部が選挙結果を受けた自民党の動きを警戒し、対日圧力を継続する姿勢を強めるなか、両国の対立が長期化する可能性が取り沙汰されている。
10日、複数の北京筋は、高市首相の圧勝直前に中国当局が中国企業に対し、非公式の「訪日自粛」を促す方針を示したと明かした。取引や商談などビジネス目的の訪日であっても、今後は経歴に「傷」が付く恐れがあるとして注意を促したという。
当局が企業関係者の往来にブレーキをかけたことで、直ちに経済交流が全面停止に追い込まれるとは限らないものの、実務面の接触は大きく冷え込む見通しだ。中国は昨年11月、両国関係の緊張が表面化して以降、自国民に旅行の自粛を呼びかけてきた。一方で企業関係者の交流は続いており、昨年末に開かれた半導体展示会「セミコン・ジャパン」には中国側の関係者も参加していた。
中国海警局は同日、尖閣諸島周辺に艦船を派遣し、巡視したとSNSで公表した。
高市首相の「台湾有事の際の武力介入を示唆した」とされる発言を契機に深まった対立が、短期間で劇的に収束する可能性は乏しいとの見方も出ている。選挙勝利で政権基盤を固めた高市首相が発言を撤回するとは考えにくいからだ。むしろ中国との緊張が支持層の結束を促し、選挙戦を有利に運んだとの分析もある。高市首相は9日の記者会見で、今後も中国との意思疎通を続ける考えを示しつつ、国益の観点から冷静かつ適切に対応すると述べた。
13~15日にドイツで開かれるミュンヘン安全保障会議は、対立の長期化を占う場になるとの見立てもある。政府は対話の窓口を開いている立場だが、中国側は明確な回答を示していないとされる。さらに、来月19日には高市首相が米ワシントンでドナルド・トランプ大統領と会談し、日米同盟の枠組みのもとで対中対応を協議する見通しだという。
一方、中国側も手を打つ構えとされる。習近平国家主席が4月に訪中するトランプ大統領に対し、「一つの中国」の原則を改めて確認させ、高市首相の発言撤回を迫るとの観測がある。
11月に中国・深圳で予定されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、習主席と高市首相の会談が実現するかどうかも不透明だ。中国国内では、日本を会議に招待しない案に加え、形式上は招待しても儀礼や日程面で距離を置き、圧力をかけるべきだとの意見まで出ているという。
















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