
先月28日(現地時間)、米国とイスラエルがイランに対する大規模攻撃「エピック・フューリー作戦」を実施する中、中国当局は原則的な立場表明にとどめ、情勢を注視している。
国連の国際連合安全保障理事会で同日に開かれた緊急会合で、中国の傅聡国連大使は「イランと地域諸国の主権・安全・領土保全は尊重されなければならない」と述べ「軍事行動を直ちに停止し、対話と交渉に戻るべきだ」と強調した。
これに先立ち中国外務省も前夜、公式サイトを通じ「米国とイスラエルによる対イラン軍事攻撃に強い懸念を抱いている」と表明し、緊張の拡大防止と協議再開を求めていた。
しかし、1日午前にイラン最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師の死去が伝えられた後、これに関する追加の立場表明は出されていない。
一部では、事態の重大性を踏まえれば、中国当局が異例の慎重姿勢を示しているとの見方も出ている。中国が抑制的なメッセージを維持しつつ中東情勢の行方を見極め、外交的余地を確保しようとしている可能性があるとの分析もある。

実際、中国国内では米国とイスラエルの今回の軍事行動の背景として、両国の高度な情報・諜報能力を事実上認めるような論調もみられた。
グローバル・タイムズの元編集長である胡錫進氏は、ハメネイ師の死去について「米国とイスラエルの情報浸透がイラン全土に深く及んでいることを示している」とし「最高指導者すら守れなかった以上、イラン指導部内部に真に安全な人物はもはやいないことを浮き彫りにした」との見解を示した。
また、4月に北京で予定されている米中首脳会談を控え、問題を過度に拡大させない判断が働いている可能性もある。
「イランの泥沼」論も
一方で、国営メディアや専門家の発言を通じ、米国を念頭に置いた批判も続いている。
新華社が運営するSNSアカウント・牛弾琴は1日午前の投稿で、米国のドナルド・トランプ大統領が「アフガニスタンとイラクに続き、より大きな『イランの泥沼』に陥った」と主張した。
さらに「今回の軍事行動が米国の国際秩序再編のための威勢を誇示する契機となるのか、それとも米国覇権の転換点となる『ワーテルローの戦い』となるのかは見極める必要がある」と付け加えた。
ワーテルローの戦いは1815年、ナポレオンが英・プロイセン連合軍に敗れた戦いを指す。

上海外国語大学中東研究所の丁隆教授は、グローバル・タイムズに対し「ハメネイ師と複数の高位軍関係者の死は、イランの報復を加速させ、より広範で強力な対応につながる可能性がある」との見解を示した。
同研究所の劉中民教授も「イランは最高指導者死去の事態を想定し、後継体制を準備している可能性がある」と述べた。
グローバル・タイムズは専門家の分析として、ハメネイ師の死去はイスラム共和国に大きな衝撃を与え得るものの、後継構図はすでに整えられているとみられ、政権崩壊に直結する可能性は低いとの見方を伝えた。
続けて「イランの報復攻撃が米国とイスラエルにより大きな被害を与え、緊張を一段と高めることになれば、トランプ政権にとって重大な試練となる」と指摘した。
そのうえで「米国は長期的な紛争への巻き込まれを避けつつ、最大限の圧力と打撃を加えようとするだろうが、それを実際に統制できるかどうかは不透明だ」との見方を示した。

グローバル・タイムズは専門家の分析として、ハメネイ師の死去はイスラム共和国に大きな衝撃を与え得るものの、後継構図はすでに整えられているとみられ、政権崩壊に直結する可能性は低いとの見方を伝えた。
また、今回の空爆により米国は国際社会の不信と不安を一層深めることになり、国際的地位が損なわれるとの見通しも示した。
空爆当日、新華社は米国を直接批判した。新華社は論評で「米国は自国の安全保障を守るとの名目で主権国家の内政に干渉し、世界各地で強制的な政権交代を推し進めるなど、覇権主義的な行動を繰り返してきた」とし「軍事主義的な覇権主義は必然的に逆効果をもたらす」と指摘した。
戦略的パートナー、中国とイランの今後
一方、戦略的パートナー関係にある中国とイランは、外交協力だけでなく、エネルギー、軍事、経済など幅広い領域で利害を共有してきた。
2021年、中国はイラン指導部との合意のもとで25年間の長期協定を締結した。中国はイランのエネルギー、インフラ、通信、港湾、鉄道分野に大規模投資を行うことを約束し、これに対しイランは中国に対し、安定的かつ比較的低価格で長期にわたり原油を供給することを約束した。

中国はトランプ政権による対イラン制裁以降も、イラン産原油を事実上輸入し続けてきたとされる。一部は第三国名義で迂回取引が行われてきたとの見方もある。その結果、中国はイラン産原油の主要な購入国となった。
市場分析会社Kplerは、2025年時点で中国が1日約138万バレルのイラン産原油を輸入していると分析した。これは中国の海上原油輸入全体の約13.4%を占めるとしている。
さらに中国は、国際連合の場でイランに対する制裁緩和を主張し、イランが外交的孤立から脱することを後押ししてきた。2023年にはイランとサウジアラビアの関係正常化を仲介し、中東地域における影響力を確保した。
米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を受け、中国とイランの関係が今後も戦略的協力関係を維持できるかどうかに関心が集まっている。
















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