
ドナルド・トランプ米大統領が先月28日イラン空爆を敢行し、中東全域が火の海と化す中、過去のトランプ大統領の発言が再び注目を集めている。
「北朝鮮軍の軍事パレードの時に全て排除したらどうだ?」
トランプ大統領の1期目に国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたハーバート・R・マクマスター氏は2024年8月に出版した著書『我々自身との戦争:トランプホワイトハウスでの私の任務』で、「トランプ大統領はホワイトハウスで北朝鮮軍が軍事パレードをする時に彼らの軍隊を全て排除したらどうかと言って我々を驚かせた」と述べた。
マクマスター氏は当時トランプ大統領が常識外れの発言をしてもホワイトハウスのスタッフが指摘するどころか競って追従したと説明する過程で、この発言を紹介した。
ネット上では、当時のトランプ大統領の発言がイランを相手にした「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」で死亡したイランのアヤトラ・セイエド・アリ・ハメネイ最高指導者の排除作戦と酷似していると指摘する声もある。
米情報当局とイスラエルはイランの首脳部が一堂に会する2月28日土曜日の午前中を空爆開始時点に設定し爆撃を行った。実際に一度の攻撃で同じ場所に集まっていたハメネイ師とイラン高位層指導者数十名が全て排除された。
「メキシコの麻薬を爆撃したらどうだ?」
トランプ大統領は同じく1期目の2020年当時、メキシコの麻薬製造施設にミサイルを撃ち込んで破壊する案を言及したこともあった。
当時トランプ政権の国防長官だったマーク・エスパー氏は2022年に自身の回顧録で、この内容を暴露し「言葉を失った瞬間の一つ」と描写した。
エスパー前長官の回顧録によるとトランプ大統領はスタッフに「密かにメキシコの麻薬製造施設をミサイルで爆破して麻薬カルテルを一掃できないか」と尋ね「ただパトリオットミサイルを数発撃って製造所を静かに消せばいい。誰も我々がやったとは分からないだろう」と言った。
エスパー前長官は回顧録で「トランプ大統領の顔を見なければ冗談だと思ったかもしれない」と記した。
マクマスター氏もトランプ大統領の当時の発言に触れ「彼が『メキシコ麻薬爆撃』のような発言をしてもスタッフは『閣下の本能は常に正しい』、『誰も閣下ほどメディアに不当な扱いを受けた人はいない』と言って彼の機嫌を取ろうとした」と伝えた。

トランプ大統領がメキシコの麻薬工場をミサイルで爆撃しようという凄惨な提案をしてから5年後の2025年、実際にイランにバンカーバスターなどを投下して核施設を爆撃し、1年も経たないうちに中東全域を火の海にした。
これに対し一部ではトランプ1期政権の関係者の回顧録の内容が全て事実だったと明らかになり、武力行使に対するトランプ大統領の価値観に驚きを隠せなかった。
トランプ大統領は1期政権当時も北朝鮮やメキシコなど一部の国に対する軍事的オプションを真剣に検討したが実行には移せなかった。一方、2期に入ってからはわずか1年でイラン核施設攻撃(2025年6月)、ベネズエラ大統領の追放(2026年1月)、イラン空爆(2026年2月)など3回も自らの意志を実行に移した。
過去にはできなかったが、今は可能になった理由
過去にはできなかったが、今は可能になった背景の一つはスタッフ陣にある。
マクマスター氏はトランプ1期当時、ジェームズ・マティス前国防長官、ジョン・ケリー元大統領首席補佐官らと共にトランプ大統領の暴走を制御しバランスを取る役割を果たしていた人物だ。
マティス前国防長官の場合、トランプ大統領が不法移民の取り締まりのために軍を動員しようとした際に「米軍は国内治安や政治的目的に使用すべきではない」、「国内の市民に対する軍の動員は危険だ」などの趣旨で反対した人物だ。
マクマスター氏とケリー元補佐官もトランプの不興を買いホワイトハウスを去ることになった。

トランプ大統領は2024年再選運動中のインタビューで「1期の時には私の命令に従わない者がいた」、「初期の時は国を運営しながら内部の人間とも戦わなければならなかった」などの趣旨の発言をしたことがある。
再選を果たしたトランプ大統領は1期当時を反面教師とし、自分に忠誠を誓うスタッフで政権を構成した。いわゆる「トランプ忠誠派」と呼ばれる人々が集まった現政権でトランプ大統領の権限は誰よりも強大だ。トランプ大統領が再就任後1年余りで3回の空爆を実行した背景である。













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