
政府が、中東情勢の悪化に伴うホルムズ海峡の封鎖や国際原油価格の急騰に対応するため、備蓄石油の放出準備を指示したと日本経済新聞(日経)が9日報じた。中東の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上封鎖されたことを受け、事態の長期化に備える措置とみられる。
木原稔官房長官は同日の記者会見で「石油備蓄の放出を決定した事実はない」と述べた。ただし、経済産業省の幹部は、放出が決まった場合に直ちに対応できるよう、各方面で準備を進めていると説明した。
経済産業省は、製油所の在庫状況やタンカーの運航状況などを点検していると伝えられている。
国内には10か所の国家石油備蓄基地がある。これらの施設は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が管理しており、消費量ベースで146日分の備蓄がある。民間が運営する備蓄基地も別にあり、消費量101日分の石油を保管している。
政府は2022年、ロシアがウクライナに侵攻した際、国際エネルギー機関(IEA)と連携し、約11~12日分に当たる2250万バレルの備蓄石油を放出したことがある。
政府は今回も国際的な協調対応を念頭に置いているが、国内の需給が深刻に悪化した場合には、単独で備蓄石油を放出する可能性もある。
日本の原油輸入の90%以上は中東に依存しており、その大半がホルムズ海峡を通過する。中東から日本までのタンカー輸送には約20~25日かかるため、海峡が封鎖されたとしても、直ちに供給が途絶えるわけではない。
一方、高市早苗首相は同日、衆議院予算委員会で原油価格の急騰について、「政府として直ちに取るべき対策について先週初めから検討に入っている。できるだけ早く対策を打ち出す」と述べた。
また、「特にガソリン価格などについて、多くの国民が不安を感じているだろう」とし、電気・ガス料金も含めて対応可能な対策を検討していると明らかにした。そのためには新たな財源が必要になるが、「予算を組み替える形ではない」と説明した。
また、高市首相は原油価格の上昇がいつまで続くかは不透明だとしたうえで、「イランに対して十分な対話を求めており、協議を進めている」と述べ、「新たな原油調達先の拡大に向けてもすでに動いている」と語った。
「責任ある積極財政」政策が物価上昇をさらに助長する恐れがあるとの指摘については、国内投資を促進して名目経済成長率を引き上げ、その範囲内で政府債務の増加率を抑制する方針を改めて説明した。
高市首相は「市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、財政の持続可能性を確保し、市場の信頼を維持していく」と強調した。














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