赤外線誘導の空対空ミサイルで被害の可能性
中国は高度な光学探知システム保有と指摘

米軍の第5世代ステルス戦闘機F35が19日(現地時間)、イラン側の攻撃を受けて緊急着陸した。
米中央軍のティム・ホーキンス報道官は「イラン上空で戦闘任務遂行中に攻撃を受け、緊急着陸を余儀なくされた」と明らかにした。イラン革命防衛隊(IRGC)も「F35を攻撃し損傷を与えた」と主張している。
F35の損傷の程度は明らかにされていないが、ステルス戦闘機がどのように攻撃を受けたのかに関心が集まっている。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は20日、中国の軍事専門家による分析を伝えた。
中国側の分析では、F35戦闘機が損傷を受けたことは、ステルス機であっても電子光学・赤外線(EO/IR)センサーによって探知され得ることを示しているという。
ロッキード・マーティンが開発した最新鋭の第5世代多用途戦闘機F35は、特殊な機体設計や内部兵装、レーダー吸収素材などによりレーダー反射断面積を大幅に低減し、高いステルス性能を誇る。一般的にフランスのラファールのような非ステルス機と比べて20〜100倍高い秘匿性を持つとされる。
F35は隠密攻撃や情報収集、ネットワーク中心戦の遂行を目的に設計され、イスラエルなど米同盟国を含む20カ国以上で運用されている。
中国人民解放軍の元大佐で軍事評論家の魏剛氏は「当該F35戦闘機は軽微な損傷を受けたものの、基本的な機能は一部維持されていた可能性がある」と指摘した。
魏氏はイランが公開した攻撃現場の赤外線画像に触れ、地上からの砲撃で損傷した可能性は低いとの見方を示した。また、機体が緊急着陸できた点から、ロシア製S300のような従来型防空システムによる攻撃ではない可能性が高いと分析した。
さらに「識別可能な防空システムであれば通常はレーダー誘導ミサイルが使用される。そうしたミサイルが命中した場合、通常は再び飛行できない」と述べ、今回の攻撃については「赤外線誘導探知機を用いた改良型の空対空ミサイルの可能性がある」と指摘した。
また、イランが制空権を掌握できていないことから、赤外線探知機を搭載したロケット推進式の空対空ミサイルを地上発射型の防空システムとして改造した可能性にも言及した。
イランは1990年代にロシア製のMiG29戦闘機を導入した際、ロシアからR27T空対空ミサイルを取得したとされる。R27Tは直径約0.23メートルと比較的小型で出力も抑えられているが、速度はマッハ5近くに達し、多くのステルス機を上回る性能を持つとされる。
魏氏はF35の高いステルス性能は主にレーダー探知を回避するためのものだが、機体の発熱を捉えるEO/IRシステムによる赤外線探知に対してステルス性能は相対的に弱いと指摘した。ただし、赤外線による探知は電波探知に比べて探知距離がはるかに狭いという。
中国人民解放軍の元将校で軍事アナリストの宋忠平氏も、イランが電波を発しない受動型の電子光学・赤外線センサーを用いてF35を探知した可能性があるとの見方に同意した。
宋氏は「この方法は米国側が探知しにくく、これまでの攻撃でも破壊されなかった理由だ」とし「航空機側も自らが追跡されていることを把握しにくい」と説明した。
そのうえで「F35は完全に探知不能なわけではない」と指摘し「中国はより高度な電子光学システムとステルス目標の探知に特化した技術を保有している」と強調した。
魏氏は「中国は低視認性航空機に対応した専用の対ステルスレーダーを保有しており、HQ9やHQ19といった防空システムを用いてF35の迎撃が可能だ」との見方を示した。
















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