
イランがホルムズ海峡周辺に機雷を敷設し、世界のエネルギー輸送の要衝が事実上まひした。こうした中、米海軍の機雷対処能力が大幅に縮小していることが明らかになった。
17日(現地時間)、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは元軍関係者や専門家の話として、「米海軍は長年にわたり機雷対処能力の確保に消極的だった」と報じた。
米海軍はこれまで14隻規模の掃海艦部隊を運用していたが、退役が進み、現在は日本に前方配備された4隻のみとなっている。特に、ホルムズ海峡近くに配備されていたアベンジャー級掃海艦4隻が昨年以降、フィラデルフィアに移され退役手続きに入ったため、中東地域の機雷対処能力は事実上空白の状態となっている。
この空白を補うため、米海軍は沿岸作戦に特化した軽量高速艦「沿海域戦闘艦(LCS)」の運用に依存している。海軍関係者によると、これらの艦は機雷対処用のドローンや無人装備を搭載し、作戦に投入することが可能だという。
米海軍機雷・対潜戦司令部の元訓練責任者ケビン・アイア氏は、「他の任務に充てられていない場合、機雷対処に使用可能な沿海域戦闘艦は約18隻だ」と説明した。ただ、これらは専用の掃海艦ではなく多目的プラットフォームであることから、能力面での限界も指摘されている。
国際戦略研究所(IISS)によると、米国は機雷対処に最大18隻を投入できるが、これはフランスと同程度の規模にとどまり、中国が配備可能な専用艦約40隻の半分にも満たない水準だという。
イランはミサイルやドローン、無人航空機に加え機雷も投入し、海上交通に対する脅威を強めている。米当局は最近、イランが当該水域に約10基の機雷を設置したとみている。世界の原油輸送量の約2割がこの海峡を通過しており、経済への影響も大きい。
ドナルド・トランプ米大統領は、ホルムズ海峡の再開とタンカー護衛作戦の実施を表明しているが、実際の作戦遂行には機雷対処能力が重要な要素として浮上している。
専門家は、現有戦力では安定的な航路の確保は容易ではないと指摘する。国際戦略研究所(IISS)のエリオット・コーエン研究員は、「米海軍は機雷対処を軽視してきた。限られた戦力では紛争海域で船舶を安定的に保護するのは難しい」と述べた。
米軍と防衛産業界は、無人潜水機(UUV)や人工知能(AI)を活用した機雷探知・除去技術の開発を加速させている。ただ、生産規模や実戦での検証がいずれも限定的な中、短期間で戦力の空白を解消するのは容易ではないとの見方が出ている。英国海軍参謀総長を務めたアラン・ウェスト氏は、「機雷対処は可能だが、非常に危険で複雑な作戦であり、空軍と海軍による統合的な支援が不可欠だ」と強調した。
一方、今回の事態は、機雷という低コストの兵器がグローバルな供給網を脅かすと同時に、米海軍の構造的な脆弱性を浮き彫りにした事例として受け止められている。
専門家は、ホルムズ海峡を巡る機雷問題が、将来的に中国との紛争に備えた試金石となる可能性があるとみている。
海軍コンサルタントで元米海軍将校のトーマス・H・シュガート氏は、中国が保有する機雷は5万~10万個以上に達すると推定されるとした上で、中国当局が機雷の敷設や除去に関する訓練を定期的に実施しているとの認識を示した。さらに同氏は、「中国はおそらく世界で最も強力な大規模機雷敷設能力を有している」との見方を示した。
軍事戦略家は、中国が台湾に侵攻、あるいは封鎖に踏み切った場合、海上機雷を用いて台湾を孤立させることが可能だと分析している。海上機雷は台湾経済をまひさせるほか、海軍の出動を妨げ、米海軍の艦艇や潜水艦による介入を困難にする恐れがあるという。
また、米海軍出身のエイヤー氏は、「問題の核心は、北朝鮮や中国が機雷を大量に使用した場合、台湾や韓国は防御が困難になる点にある」と指摘した。
















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