
イランがサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地を攻撃し、中核戦略資産のE-3セントリー早期警戒管制機(AWACS)を損傷させたことで、米国とイスラエルの防空能力が大きく低下しかねないとの懸念が強まっている。
イランは27日(現地時間)、同基地に向けて弾道ミサイル6発とドローン29機を発射した。この攻撃で米兵少なくとも12人が負傷し、うち2人が重傷を負った。KC-135空中給油機3機に加え、E-3セントリー少なくとも1機も被害を受けたとされる。
今回の攻撃を巡っては、ロシアが背後で支援したとの見方も浮上している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日のNBCのインタビューで、ロシアが攻撃の数日前にプリンス・スルタン基地を撮影した衛星画像をイラン側に渡したと主張した。そのうえで、ロシアがイランによる米軍攻撃を後押しする情報を提供してきたと100%確信していると述べた。
ゼレンスキー大統領が公開したウクライナ情報機関の要約資料には、ロシアの衛星が3月20日、23日、25日の3回にわたり同基地を撮影したと記されていた。同大統領は、最初の撮影は準備段階、2回目は模擬訓練、3回目は差し迫った攻撃を意味するとの見方を示している。
イランのファルス通信は30日、1機2万ドル(約320万円)のシャヘド136ドローンが数億ドル規模のE-3セントリーを破壊したと主張し、今回の攻撃を情報戦術と非対称攻撃が結び付いた現代戦の明確な事例だと評価した。
同通信は、両者の価格差が約3万対1に達するとして、高い費用対効果も強調した。さらに、高価な先端システムでも安価で巧妙な攻撃には脆弱だという戦術的メッセージがあり、空中作戦で圧倒的優位にあるとする敵側の自信を揺るがす心理的効果もあったと自賛した。ただ、ファルス通信がE-3セントリーの価格を6億〜7億ドルと見積もったのに対し、実際の機体価格は3億ドル前後(約480億円)とみられている。
E-3セントリーは数百km先の目標を探知し、戦闘機の運用を統制する早期警戒管制機で、米軍の「空の目」とも呼ばれる中核戦略資産だ。1機で多数の目標を同時に追跡できる点も大きな特徴となっている。
より深刻なのは、すぐに穴を埋められる後継機がないことだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、今回の攻撃時点で運用可能なE-3セントリーは16機にとどまり、約10年前の30機前後から大きく減った。最有力の後継機とされるE-7ウェッジテールの導入費は1機7億ドル(約1,120億円)規模に上る見通しで、退役米空軍大佐のジョン・ベナブル氏は、E-3セントリーの損失が湾岸地域の状況認識を維持する米軍の能力に直接打撃を与えると警鐘を鳴らしている。
米軍は3月中旬以降、E-3セントリーの運用負荷を高めながら、イラン発のドローンやミサイルの探知に集中してきた。そうした中で保有数の限られた中核資産が損傷すれば、イラン側の攻撃成功率を押し上げる可能性があるとの分析も出ている。ミリタリー・ウォッチは、イランが米軍基地を攻撃するたびにレーダー網の無力化を並行させ、イスラエル向けミサイル攻撃の効果を継続的に高めてきたと指摘した。
















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