トランプ大統領「第三の勢力と交渉」…イラン実権者の空白で米国も混乱

米国のドナルド・トランプ大統領がイランとの交渉が進行中だと明らかにしたが、実際の交渉相手の実態が不明な状況が続き、外交的混乱が深まっている。
トランプ大統領は29日(現地時間)、イランの「『第三の勢力』と交渉中だ」とし、既存の指導部が事実上崩壊した後、新たな交渉ルートが形成されたと主張した。
続けて「我々はこれまで相手にしたことのない別の人物と交渉している。そして正直に言って、彼らは非常に合理的だ」と述べ、交渉の進展に期待感を示した。
しかし30日(現地時間)、CNNによると、米国および中東地域の関係者は、交渉の実質的な相手が誰なのかさえ確信できていない。
パキスタンとトルコを通じて伝達されるメッセージを受け取るイランの関係者が、最終合意に署名し履行する権限を持っているかどうかは不透明だという。
現在、米国はイランのアッバス・アラグチ外相やモハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ国会議長などと間接接触を続けていると伝えられている。特にガーリーバーフ議長はイランの最高指導者モジタバ・ハメネイ氏に影響力を持つ人物と評価されているが、これも確立された権力構造とは言えないとの分析が出ている。
権力の空白は最近さらに深刻化している。イランの権力中枢にあったアリー・ラーリージャーニー最高安全保障委員会事務総長がイスラエルの空爆で死亡し、意思決定体制そのものが揺らいでいるためだ。戦争の過程で高位層が相次いで排除され、「次善の権力」さえ消失したとの見方もある。
さらにモジタバ・ハメネイ氏の生死さえ不確実だ。米国側は死亡または重傷の可能性を指摘しているが、イランは健在で権力を行使していると主張している。ただし就任以降、公の場には一切姿を見せておらず、書面声明を通じてのみ意思を示している。
米国のマルコ・ルビオ国務長官は30日、「誰もモジタバを見たことがなく、誰も彼の消息を聞いたことがない」とし、「イラン政権の構造は現在極めて不透明で、誰が意思決定を行っているのか分からない状況だ」と述べた。
こうした不確実性は交渉の進展を遅らせる要因となっている。仲介役を担うトルコとパキスタンもイラン側との連絡に苦慮していると伝えられる。
交渉に詳しい関係者はCNNに対し、「イラン側の関係者は空爆を避けて潜伏しており、通信が制限されるため返答が遅れるケースが多い。今後の対話にはさらに時間が必要だ」と語った。

何よりイラン内部の不信感は依然として根強い。過去に交渉中に米国が空爆を行った経緯から、一部の強硬派は交渉そのものに否定的な立場を維持しているとされる。
それでもホワイトハウスは、水面下の交渉でイラン側の態度が以前より柔軟になったと主張している。キャロライン・レビット報道官は30日のブリーフィングで「イランの公開発言と非公開メッセージは異なる」と述べ、交渉の可能性を強調した。
ただし短期間で包括的な合意に至る可能性は低いとの見方が強い。現在の協議はホルムズ海峡の安全通行に焦点が当てられており、戦争終結に向けた本格交渉にはなお時間を要するとみられている。
地域の情報筋は「仮に双方が今後より積極的に交渉に臨んだとしても、全体的な合意に達するにはまだ時間がかかる」とした上で、「誰が前面に出てくるにせよ、数週間で解決するとは考えにくい」との見通しを示した。
軍事的緊張も依然として続いている。米国は大規模な空爆を継続しており、イランもミサイルやドローン攻撃を続けながら海峡の統制を維持している。
ホワイトハウスは30日、戦争期間中に1万1000の目標を攻撃し、150隻の艦艇を撃沈したと明らかにした。
米国は当初、戦争の所要期間を4~6週間と見込んでおり、現在もその見通しを維持している。
CNNは関係者の話として「ホワイトハウスはイラン側が交渉に一層積極的になっているとみているが、イランは海峡封鎖に向けて時間を確保しようとしている」と伝えた。
結局、交渉は進行しているものの、「誰が意思決定を担っているのか」という根本的な問題が解消されない限り、実質的な進展は限定的にとどまるとの見方が強い。
















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