トランプ大統領のNATO脱退脅威に、欧州はすでに「別れの決意」
自主防衛力強化と核抑止力の議論が加速

ドナルド・トランプ米大統領の度重なる北大西洋条約機構(NATO)脱退の脅しに、欧州は再武装を加速させ「欧州版NATO」の青写真を着々と描いている。米国がイラン戦争後のNATO脱退推進を予告したことで、西側集団安全保障同盟の柱であるNATOは80年の歴史上最悪の岐路に立たされている。
2日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、欧州各国の高官の間では域内の7万人規模の米軍が撤退しても、欧州主導の指揮体制への転換と通常戦力の増強により「米国抜きの同盟」が十分に可能だとの認識が強まっているという。
トランプ大統領は1日、英紙デイリー・テレグラフとのインタビューで、NATO加盟国のイラン戦争への不参加を批判し、脱退を強く検討中だと明かした。マルコ・ルビオ米国務長官は終戦直後にNATOとの関係を再検討すると予告した。
西側諸国はトランプ大統領のNATO脱退発言に慣れつつある。欧州は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化に加え、トランプ再登板以降に西側同盟の亀裂が明確になる中で、独自の防衛能力強化を進めてきた。
欧州連合(EU)は昨年初め、「欧州再軍備(Europe ReArm)」構想を打ち出し、2030年を目標としている。欧州がロシアの侵攻を抑止するには、短期的に30万人の兵力増強と年間2,900億ドル(約46兆3,100億円)相当の防衛費増額が必要と試算されている。
欧州は通常戦力の強化に加え、米国の「核の傘」を代替する核抑止力の確保についても具体的な検討を進めている。域内唯一の核保有国である英国とフランスが核抑止の拡大議論を主導し、ドイツもこれに積極的に呼応している。
現実には、核戦力を含むNATOの軍事力および財政負担において、依然として米国の比重は圧倒的である。ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は「米国ほどである必要はない。ロシアより優れていればよい」と強調した。
欧州はまた、米国を排除した多国間協力体制の構築にも力を入れてきた。特に今回のトランプ政権による一方的なイラン攻撃と参戦要求は、NATO集団防衛の根幹である第5条の実効性に現実的な疑問を投げかけた。
英国は2日、NATOや湾岸諸国、アジアの主要国など約40カ国を招集し、イランが封鎖したホルムズ海峡の再開に向けた対応を協議した。ウクライナ戦争を契機に英仏主導で形成された国際協議体「意志の連合」も、「米国なき西側同盟」の枠組みとして注目されている。
なお、米国の法制度上、トランプ大統領が単独でNATO脱退を決定することは事実上不可能とされる。このため、脱退ではなく欧州駐留米軍の縮小・撤収へと方針転換する可能性が指摘されているが、これもまたNATOの結束に大きな打撃を与えるとみられている。
ミュンヘン安全保障会議(MSC)のヴォルフガング・イッシンガー議長は、「米軍の欧州撤退はロシアの戦略的勝利宣言を許すことになる」と指摘し、「ソ連時代以来のロシアの核心的な戦略目標を実現させることになる」と警告した。
















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