「アリを食べてでも生き延びる」米軍パイロットの命を救った過酷な訓練

イランの敵陣真っ只中に墜落したアメリカ空軍F-15の乗組員が36時間にわたる死闘の末に無事救助された。その背景には、米軍の伝説的な生存訓練「SERE」があったことが明らかになった。
6日(現地時間)の米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米軍のエリートパイロットや特殊部隊員は、敵地で孤立した際に生還するための高強度SERE訓練を必ず履修することが求められる。SEREは生存(Survival)、回避(Evasion)、抵抗(Resistance)、脱出(Escape)の略で、「名誉ある帰還」を目標とする米空軍の核心プログラムだ。
米国のドナルド・トランプ大統領は、今回イランで救助されたパイロットが、救助時にひどい怪我を負っていたと明らかにした。トランプ大統領によると、このパイロットはイラン現地軍の追跡を受けながらも、険しい山岳地帯で36時間の間捕獲を逃れ続けた。もしパイロットが生け捕りにされていれば、イランは米国に対し強力な外交カードを握るか、戦争の宣伝として利用された可能性が高かった。
SERE訓練のルーツは朝鮮戦争に遡る。当時捕虜となった米兵たちが経験した過酷な試練をきっかけに、当時のドワイト・D・アイゼンハワー大統領は、軍人が守るべき服務信条を確立した。「捕虜となった場合、あらゆる手段を尽くして抵抗する」という意志がこの訓練の核心である。それに従い、米軍の捕虜は敵に名前や階級、生年月日、軍番以外のいかなる情報も提供しないよう教育される。
訓練過程は想像を絶するほど過酷だ。パイロットは砂漠から北極に至るあらゆる極限環境で、サボテンや甲虫を食べながら生き延びる方法を学ぶ。パラシュートで脱出した後の応急処置や、隠れ家の作り方、木の枝での火起こしなどが含まれる。1995年のボスニア紛争の際に撃墜されたスコット・オグレディ大尉は、蟻を食べて6日間耐え抜き救助された。
生存と同じくらい重要なのは、敵の目を避ける回避技術だ。パイロットは事前に約束された救助地点に移動し、敵の追跡をかわす戦略を実行する。敵に見つかった場合、武術や小火器を活用した抵抗手段も訓練されるが、具体的な技術は機密になっている。最後の段階である脱出では無線機や信号弾などを駆使して味方の救助隊と接触し、安全に帰還するプロセスをたどる。
元米空軍中将のデビッド・デプチュラ氏は「パイロットは何の前触れもなく敵陣の真っ只中に放り出される可能性がある」と述べ、「SERE訓練は生き延びて、捕虜になることを避け、生還の可能性を高めるための不可欠な備えだ」と強調した。
















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