
米国では、中東紛争の余波を受け、インフレの伸びが約4年ぶりの大きさとなった。米国のトランプ政権は、経済運営への信頼を高めるため、2期目に入って以降、公務員削減や環境・産業補助金の縮小など歳出圧縮を進めてきたが、今回の結果は政権にとって新たな政治的負担になりかねない。
米労働省労働統計局(BLS)が10日に公表した資料によると、3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇した。前月比でも0.9%伸び、2月の0.3%を大きく上回る結果となった。
3月はエネルギー関連費用の上昇が際立った。燃料油は30.7%、ガソリンは21.2%、エネルギー原材料は21.3%それぞれ上昇し、エネルギー全体では10.9%の大幅な伸びを記録した。米国とイスラエルがイランで実施した軍事作戦の影響で、エネルギー価格が押し上げられたとみられる。
イランが反撃に踏み切る中、世界の石油流通量の約5分の1が通過するホルムズ海峡を統制したことで、燃料価格はさらに上昇した。3月末時点の一般ガソリン価格は、2022年夏以来初めて1ガロン(約3.78リットル)当たり平均4ドル(約640円)を超えている。
一方、エネルギーと食品を除いたベースでは、3月の物価上昇率は前月比で0.2ポイントの上昇にとどまり、前年同月比では2.6%となった。
今回の紛争がエネルギー価格に及ぼす影響については、米国民の懸念も強まっている。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターが先月、米国の成人約3,500人を対象に実施した調査では、回答者の約69%が、米国の対イラン軍事作戦による燃料価格の上昇に非常に、または極めて懸念していると答えた。
これに対し、ホワイトハウスは足元の物価上昇を過度に懸念する必要はないとの立場を示している。ホワイトハウス報道官のクシュ・デサイ氏は10日、米メディアNewsNationに送った声明で、トランプ大統領は今回の軍事作戦に伴う短期的な混乱について以前から明確に言及しており、政権としてその影響の緩和に努めてきたと述べた。
そのうえで、ガソリンやエネルギー価格には変動がみられるものの、卵、牛肉、処方薬、乳製品といった生活必需品の価格は、トランプ大統領の政策によって下落するか、安定を保っていると主張した。
デサイ氏はさらに、政権がホルムズ海峡を通るエネルギーの自由な流れを確保する中、米国経済は減税、規制緩和、十分なエネルギー供給という強力な供給側政策に支えられ、堅調な成長軌道を保っていると説明した。
ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長のケビン・ハセット氏も、卵や牛肉、スポーツ観戦チケットなどの価格は下がっているとしたうえで、今回の統計はエネルギー分野に偏った一時的な動きだとの見方を示した。
ハセット氏は10日、「FOX Business」のインタビューでホルムズ海峡に触れ、航行が通常のペースに戻れば、状況も再び正常化するとの見通しを示している。
















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