
米国とイランの終戦交渉が進む中でも、イスラエルはレバノンへの空爆を継続している。
レバノン国営NNA通信によると12日(現地時間)、イスラエルは南部ティール地区のマルーブ村を空爆し6人が死亡した。近隣のカナでも5人が死亡したという。
さらにアル・バジュリヤ、アル・クワイラ、バフリヤなど複数の村でも空爆が行われ、テファフタ村では少なくとも13人が死亡した。
これに対しイスラエル軍は同日、「レバノン南部でイスラエルに向け発射準備を整えていたロケット発射台を破壊した」と主張した。
イスラエル軍とヒズボラは現在、レバノン南部の戦略拠点ビント・ジュベイルで激しい地上戦を展開している。
イスラエル軍はここ数日、ヒズボラの拠点破壊と戦闘員掃討を目的に同地域を包囲し、圧力を強めてきた。
NNAは「イスラエル軍が市外と進入路に大規模な砲撃を加え、残存地域への侵入と制圧を試みている」と現地の状況を伝えた。
イスラエルは前日、米国とイランの代表団がパキスタンのイスラマバードで終戦協議を行う中でも、ヒズボラを標的とした空爆を続け、少なくとも15人が死亡した。
一方、ヒズボラもドローンやミサイルを用いてアドミット入植地のイスラエル軍インフラを攻撃し、メトゥラ地域に集結していたイスラエル軍部隊や車両をドローンで攻撃したと発表した。
また北部国境地帯オダイセに配備されたイスラエル軍戦車1両をミサイルとドローンで攻撃したとも主張している。
イランは終戦協議の前提条件としてレバノン停戦を求めているが、イスラエルによるヒズボラ攻撃を停戦対象に含めるかをめぐり米国との間で見解の相違があるとみられる。
レバノン保健省によると、11日までのイスラエル空爆による死者は2020人、負傷者は6436人で、死傷者は計9000人に迫っている。
ネタニヤフ首相、司法リスク回避で戦争継続か
イスラエルがレバノンへの攻撃を続ける背景には、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の政治的判断があるとの分析が出ている。
ネタニヤフ首相は現在、贈収賄などの汚職疑惑で起訴されており、裁判は3つの事件に分かれている。
そのうち2件は有利な報道を引き出すためメディアと不適切な取引を行った疑い、残る1件は富豪から約26万ドル(約4,153万3,600円)相当の高額な贈答品を受け取ったとされる内容だ。
2019年の起訴以降、裁判は長期間停滞していたが、米国とイランの一時停戦を受けイスラエルの非常措置が解除され、12日に再開される見通しだ。
戦時体制はネタニヤフ首相にとって司法手続きを遅らせる理由となり得る。
国内世論も戦闘継続を後押ししている。
9日に公表された世論調査では、イランとの2週間の停戦に反対する回答が過半数を占めた。カン放送で56%、チャンネル12で53%、チャンネル13で51%が反対と答えた。
特にチャンネル12の調査では、レバノンでのヒズボラ攻撃継続に賛成が79%に達し、反対は13%にとどまった。
こうした中、ネタニヤフ首相は11日、イランへの攻勢は終わっていないとし「まだやるべきことがある」と強調した。
またヒズボラへの軍事行動についても「我々は依然として戦っており、終わっていない」と述べた。
さらに「X(旧Twitter)」での投稿でも「私の任期中、イスラエルはイランのテロ政権とその代理勢力と戦い続ける」と表明している。
















コメント0