
ロシア国防省が欧州各国にある工場の「位置」を示したうえで、工場名と住所の一覧を公開し威嚇した。
ロシア国営タス通信が16日(現地時間)に報じたところによると、ロシア国防省はこの日、テレグラム上で声明を発表し「欧州は自国の安全保障に対する脅威の本当の原因を明確に理解すべきだ」と主張し、英国、ドイツ、オランダ、デンマーク、ポーランド、チェコ、リトアニア、ラトビアの8カ国にある工場名と住所の一覧を公表したという。
ロシア側が「座標」を示したこれらの工場は欧州各国にあるウクライナ系の防衛産業関連企業だ。ロシアが名指しした8カ国にはウクライナの防衛企業の支社が置かれており、一部では徘徊型弾薬(小型自爆ドローン)などの攻撃用ドローンを実際に生産しているとされる。
さらにロシアは、スペイン・マドリード、イタリア・ベネチア、ドイツ・ハーナウ、チェコ・プラハ、イスラエル・ハイファとオル・イェフダ、トルコ・アンカラとヤロヴァをウクライナ向けドローン部品の生産拠点だと指摘した。

ロシアはウクライナのドローン生産を支える欧州諸国に直接警告を発することで、欧州世論にウクライナ支援への反発を呼び起こすと同時に、ロシア後方にまで打撃を与える高性能なウクライナ製ドローンの生産を妨げる狙いがあるとみられる。
ロシア国防省は「欧州の人々は自国の領土内でウクライナのためにドローンや部品を生産しているウクライナ企業や合弁企業の住所と所在地を知るべきだ」と主張し「欧州各国は安全保障を強化するどころか、自国をますますロシアとの戦争に引きずり込んでいる」と非難した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の側近で、対西側強硬派として知られるロシア安全保障会議副議長のドミトリー・メドベージェフ氏もXに「ロシア国防省の声明は文字通り受け取るべきだ」と投稿した。そのうえで「ドローンやその他の装備を生産する欧州の施設一覧は、ロシア軍にとって潜在的な標的の一覧だ。実際に攻撃が行われる時期は今後の情勢展開にかかっている」と威嚇した。
ロシアが恐れるウクライナドローンの性能
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争は、現代戦の様相を大きく変えた。この戦争ではドローンが偵察、攻撃、自爆、迎撃といった戦場での役割を大幅に広げ、戦力バランスを左右する核心的な要素となっている。
ウクライナ軍は15日午前、長距離攻撃型ドローンを利用して前線から約1,200キロ離れたロシア・バシコルトスタン共和国ステルリタマクの主要石油化学施設を攻撃した。

前日にはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「歴史上初めて、地上システムとドローンなどの無人プラットフォームだけで敵陣地の奪還に成功した」と主張した。
ウクライナ軍関係者も英紙ザ・タイムズに対し「現在のウクライナ軍はドローンだけを利用する攻勢・防御作戦を遂行できる」と語った。ロシアが欧州8カ国を同時に威嚇し、ウクライナのドローン攻勢を封じ込めようとしている背景にはこうした事情があるとみられる。
戦争を通じて「ドローン大国」となったウクライナは、これを利用して欧州との協力も強化している。現在、欧州主要国を歴訪中のゼレンスキー大統領はこの日、イタリアのジョルジャ・メローニ首相との首脳会談でドローンの共同生産について協議し、メローニ首相も前向きな反応を示したと伝えられている。
ロシアもイランからドローン技術の提供受ける
ウクライナのドローン開発と生産阻止に力を入れるロシアだが、その一方でイランからドローンの設計図や技術の提供を受けている。

特にロシアは今回の米国・イラン戦争でも使用されたイランの主力自爆型ドローン・シャヘド136をロシア仕様に改良したゲラン2を大量生産し、ウクライナ戦線で投入している。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は今年1月、ロシアがこのドローンを1日404機生産していると明らかにし、今後は1日1,000機まで生産量を増やす可能性があるとの見方を示した。
















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